« パーム油とヤシ油は違うの? | トップページ | 熱帯林保護で温暖化ガス20%削減 »

2007年11月29日 (木)

再生紙とバージンパルプ どっちが環境にいい?

 この問いに今までは誰もが迷いなく「再生紙」と答えたはず。でも最近は「古紙はCO2がたくさんでるって聞いたけど…」と口ごもる人もいる。
 なぜなら、中国への輸出量が増えすぎて、国内では古紙は品薄。そのため古紙価格も上がってしまい、古紙を使いづらくなった製紙会社が「古紙はバージンパルプよりCO2を多くだす」といいはじめたからだ。
 製紙会社の出したデータを見てみると、
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20070608/126867/
 トータルでは圧倒的にバージンパルプから紙を製造する方がCO2排出量は多い。だが、木からクラフトパルプを作る際、黒液という自前のバイオ燃料を使えるため、化石燃料由来のCO2排出量は少なくてすむ。カウントされるのは化石燃料分だから、古紙から製造する方がCO2は多く出るといわれるわけだ。
 でもこのグラフをよーく見ると、A2コート紙を製造する日本製紙の工場と書いてある。A2コート紙といえば、白色度80%の真っ白ツルツルの高級紙。紙は白色度が高ければ高いほど、エネルギーも水も薬品もたくさん必要になるが、バージンパルプの場合はその差はわずか。しかし古紙で作る場合は、白色度70%を超えると急に必要量が増える。だから白色度70にしようねと呼びかけているのに、古紙に不利な白色度80のデータを出してくるなんてズルイ!!!
 白色度70の印刷用紙で比較したら数値はもっと変わるはず。現に王子製紙のデータはこれほどの差はでていない。
 環境への善し悪しは、CO2排出量だけでは決まらない。だが「京都議定書」を前にして、化石燃料由来のCO2排出量だけが注目されるのは、やむをえないかもしれない。だがこのデータに、水や薬品製造時の環境負荷や工場排水処理のために必要なエネルギーは加味されているのだろうか?古紙を国内で消費せず、海外へ輸出した場合のCO2にすら配慮されていない。
 それにこれはあくまでもクラフトパルプと古紙の比較だ。新聞を作る場合は古紙から作る方がCO2排出量は少ない。新聞原紙はクラフトパルプではなく、黒液のとれない機械パルプだから。
 また、紙の原料は人工林からだけとは限らない。オーストラリアの天然林や原生林が原料になっていることはいくつもの市民グループが報告している。それらは紙にせず、そのまま森に生えていた方が、地球環境にとって良いことは確かだろう。
 やはり環境負荷が少ないのは再生紙の方だ。

◎オーストラリアの森林に関する講演会が開かれるそうです。
 「原生林がティッシュペーパーに?
   ・・・ 太古の島、豪州・タスマニアの森林伐採」
◆日時:12/7(金)18:30-20:30
◆場所、詳細は:丸の内さえずり館 ウェブサイト
http://www.m-nature.info/event/index.html#200712

<オーストラリアの森林問題についてはこちらをどうぞ>
http://www.jca.apc.org/jatan/woodchip-j/australia.html
http://www3.kcn.ne.jp/~kyone/kcn/sitetop/etc/WA.htm
http://www.rainbow.gr.jp/wood/

◎今日の用語:白色度
 紙などの白さを表す指標。新聞紙の白色度はおよそ55%。自治体で使っているコピー用紙は白色度70%位だが、コンビニのコピー用紙や量販店で販売されているのは白色度80%程度以上のものが多い。花など自然界の白いものはおおよそ白色度70%。

|

« パーム油とヤシ油は違うの? | トップページ | 熱帯林保護で温暖化ガス20%削減 »

エコ商品」カテゴリの記事

CO2(温暖化)」カテゴリの記事

」カテゴリの記事