NHKでも放映 熱帯林を破壊するバイオ燃料
今日(12/10)、クローズアップ現代で「森林破壊を防げ 地球温暖化」を放送した。
バイオ燃料のためのアブラヤシ開発が熱帯林を破壊、破壊した熱帯林跡(泥炭地)から大量のCO2が放出、というここでも何度か取り上げたテーマだ。
番組内で、インタビューに答えたインドネシア林業省次官が「環境も大事だが、我々にとっては開発が大事」と正直な思いを語っていた。森林を開発せずともトクをするシステムを作らなければ、とNHKの国谷裕子さん。確かに熱帯林を保全しているだけで途上国に十分なお金が入れば、破壊は止まるだろう。
しかし、現状は苛酷だ。
これまでゴムや蚊取り線香の原料を熱帯林から収穫し、森とともに生きていた住民が開発のため森を失い、生活のために国立公園内での違法伐採に手を染める。
住民に植林してもらうことでお金を貸し付け、植林がうまくいけば借りたお金の返済を免除するというNGOが1つあるということがせめてもの救いだ。
欲をいえばもっとほりさげてほしかったが、それでもNHKでとりあげた意義は大きい。
次回はぜひ、日本の大手銀行や信託会社の投資マネーもプランテーション開発の資金源になっていること、バイオ燃料だけでなく洗剤や食品などにもアブラヤシ(パームオイル)が使われていることなどもとりあげてほしい。
そして、アブラヤシ事業には投資しない、少しでもパームオイルの使用量を減らす、それが熱帯林保護と温暖化防止につながることを視聴者へ伝えなければ森林破壊はとまらないだろう。
◎今日の用語:バイオ燃料
「バイオ燃料は「エゴ」燃料?」をご参照ください。
| 固定リンク
「CO2(温暖化)」カテゴリの記事
- 環境税の前に課徴金制度導入を(2010.12.29)
- エントロピー学会のお知らせ「低炭素社会を問う」(2010.10.10)
- エコロジカルフットプリントと放射能フットプリント(2010.08.28)
- 世界中で異常気象(2010.08.11)
- 埼玉県の排出量取引(2010.08.08)
「バイオ燃料」カテゴリの記事
- 消費されるサラワク熱帯林 パームオイルの次は紙 (2010.04.27)
- オランウータンもゴリラも危機に(2010.03.28)
- 古着からもバイオエタノール(2010.03.05)
- バイオ燃料生産用パームヤシ農園も森林?!EUが検討中(2010.03.03)
- インドネシアから森林NGO来日 大阪集会(2009.09.21)
「森林」カテゴリの記事
- 十津川村の台風被害とTPP(2011.10.03)
- ラッシュの石鹸 脱パームオイル(2010.10.07)
- 燃え続けるロシアの森林(2010.10.03)
- 森林が海外から狙われるようになった理由は?(2010.09.12)
- 北海道の森を外国資本が406ヘクタール購入 資本状況不明も798社(2010.09.08)
最近のコメント