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2008年2月11日 (月)

「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」の問題点(1)

 武田邦彦著(洋泉社)のこの本を遅ればせながらはじめて読んだ。この著書の問題点を人づてに聞いてはいたが、自分では読んでいなかった。わざわざ読んで気分を悪くするのもイヤだったし、買ってまで読む気にはなれなかったから。
 反論本「“環境問題のウソ”のウソ」(楽工社)が出たと聞き(まだ読んでないが)、これで少しは「武田説」が沈静化すればよいと思いつつ、なぜ武田氏の本が一般の支持を勝ち得たのか(反対にいえば、なぜここまで「環境」が嫌われたのか)に興味がでて、図書館で借りて読むことにした。
 読む前に私が思っていたことは、「著者はリサイクルを否定することで、浪費するなといっているのだろう。それなら、私も同意見だ」ということだが、残念ながらこの著書を読んだ限りではそれを読み取ることは難しかった。
 末尾の言葉「もっと心豊かで平和であり、真面目に着実に働く人が尊敬される牧歌的でシンプルな社会をもう一度つくり直すということに中心をおいた方が余程、環境問題に向き合うことになる」という言葉には基本的には反対しないが、それがなぜリサイクル否定、ダイオキシンの毒性否定につながるのかが理解できない。
 「リサイクルで儲けている人、ダイオキシンが大げさな毒物でもないのに猛毒だと言って利益を受けている人、そして地球温暖化もそのこと自体を自分の出世の道具にしている人たち」を「糾弾」したのは「そこにこそ環境を壊す問題があり、日本の伝統的文化を根こそぎ破壊する危険が迫っていると考えるから」といわれても、どこをどう考えればリサイクル否定、ダイオキシン毒性否定が日本の伝統文化を守ることに結びつくのかが、どうしても私には理解できない。そして、この本の真の目的がどこにあったにせよ、ペットボトルもレジ袋も紙も燃やす方がいい、ダイオキシンや環境ホルモンの危険性も「ウソ」、節電も意味がない、などと書くことでそれらの意識を読者に植え付けているのを見過ごしていては「肯定」と取られかねないと思いはじめた。
 ということで、今日から数回に分けて、この本の問題点を私なりに整理してみたい。
                    つづく

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