「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」の問題点(4)ー紙2
昨日に引き続き、紙について。
日本で使っている紙は、インドネシアや中国などで作られたものもあれば、国内の製紙会社が作った紙もある。国内で作られる紙の原料は大きく古紙とバージンパルプに大別される。
バージンパルプの原料の多くは木材チップであり、木材チップには広葉樹チップと針葉樹チップがある。広葉樹チップの2006年の消費量は1287万トン、針葉樹チップは636万トンで、輸入先の内訳は以下のとおり。
輸入広葉樹チップ:オーストラリア34%、南ア24%、チリ16%、ベトナム6%、ブラジル5%、ウルグアイ3%、その他11%
輸入針葉樹チップ:オーストラリア42%、米国31%、カナダ11%、ニュージーランド8%、その他8% (財務省通関統計)
このデータからみても、著書171頁の「紙のリサイクルと熱帯雨林や開発途上国の森林は関係がない」とか173頁「熱帯雨林を守りたいのに北方の先進国から来る紙の原料を節約しても、熱帯雨林の減少は止められないのは当たり前なのである」などの記述は明らかにおかしい。それに熱帯雨林だけを守りたいと思っている人ばかりではない。オーストラリア(なかでもタスマニアの原生林)やカナダの天然林も守りたいと紙リサイクルに取り組んでいる人は多い。
http://www.jatan.org/jn/JN62canada.html
http://www.jca.apc.org/jatan/woodchip-j/tasmania.html
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