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2008年2月

2008年2月29日 (金)

ついにペットボトルの使用規制!シカゴでは1本5セントの税金

 アメリカ国内で1100の都市の代表が集まる市長会の2007年6月の会議で、ボトル飲料水が環境に与える影響調査を求める決議案が可決されたそうだ。世界で最もすぐれた水道システムをもっているのに、水道の1000倍ものお金を出して水道水と変わらないボトル飲料水を買うことに反発が高まっていることがその背景。

 サンフランシスコ市では市役所内でのボトル飲料水の購買を禁止し、職員へ水道水の利用を促す一方、市民へもペットボトル不買を呼びかけ水道水を入れる水筒を無料配布しているとのこと。ソルトレークシティでも市長が自ら「水道水というとてもおいしく安全な市の資源があるのに、ボトル飲料水を購入しそれを利用することは、経済面からも環境面からもまったくばかげた無責任なことである」と呼びかけた。
 さらに、埋め立てゴミとゴミ処理費用に悩むシカゴ市議会では、市内で販売するボトル飲料水1本につき5セントの税金をかけたそうだ。

 米国で使用されるペットボトル容器に、なんと年間1億5000万リットルの石油が使われているとかー。

 ヨーロッパでも同様の動きが広まっていて、パリ市長も公的行事にはもっぱら水道水をだし他にもそうするよう呼びかけているそうだ。

 日本だって、どこにも負けない水道水があるのだから、普段飲みはペットボトル飲料をやめるべきだ。お茶にしたって、急須で出す方がおいしいに決まっているし、冷茶や麦茶だって最近は沸かさなくてもおいしくできる。
 テレビに映し出されている会議の卓上に、いまだにペットボトルが置かれているのを見ると、もったいなくてため息がでる。水道水で充分なのに…。

参考:Enviro-News No.1440 http://www.earthpolicy.org/Updates/2007/Update68.htm

動画:http://www.weshow.com/jp/p/24719/

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雪の縄文杉

Photo 屋久島へ縄文杉に会いに行ってきました。お天気には恵まれたけど、途中から道が少し凍って滑り気味。でもそれ程の急勾配ではなかったので、安心して登れました。途中の大王杉はヒメシャラに囲まれ、姫達とたわむれる大王のイメージで何となく楽しそう。でも縄文杉は、孤高でりりしかったです。
 途中見える山々には、立ち枯れた杉の木立が白く点在。ガイドさんの説明によると「以前、営林署が伐った時、大きな木は母樹として残した」とのこと。しかし、周りの木がなくなってしまうと、母樹として残したはずの大きな木も結局は立ち枯れてしまったのだそうです。天然更新の失敗例を間近にみて、造林の難しさをあらためて感じました。
 アマゾンが、大豆栽培の拡大のためにどんどん伐られているそうですが、一度伐ってしまった森を元に戻すのは至難の技。ましてアマゾンのような原生林を畑にしていては、近い将来、地球全体がイースター島のようになりそうです。

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2008年2月21日 (木)

割り箸からマイハシへ

 中国産割り増しの価格上昇がマイハシ人気を後押ししているそうだ。(日経2008.2.16)
 2006年の割り箸年間消費量は約250億膳。内97%をしめる中国からの割り箸価格が上昇傾向にある。2005年12月に中国の生産者団体が3割値上げを要求、2006年11月には中国政府が輸出税を引き上げたとのこと。
 「中国では人件費が上昇。当局も環境配慮から割りばしの生産制限に乗り出して」いる。
 中国製割り箸の減少は中国のためにも日本のためにもなるようだ。
http://ssanada.exblog.jp/7159707/

 これらを背景に、環境保護とコスト削減の立場から、割りばしをやめプラスチック箸に切り替える外食店も増加。マイハシ持参者にはマイハシを洗うなどのサービスも提供している。箸売り場にはブランド物のマイハシも登場し、おしゃれな若者の支持も得ているらしい。

 ちなみに、先日久しぶりに会った友人と、友人特製の手作りマイハシ入れと私の手作り国産ヒノキのマイハシを交換した。
 友人のマイハシ入れはお洒落な手ぬぐいで作られていて、箸を出すと膝掛けにもなるスグレモノ。「和」テイストあふれるステキな箸入れに大満足

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再生紙偽装 各社が追加報告

 製紙会社18社が、偽装についての調査報告書を環境省と経産省に提出した。
 それによると、王子製紙の偽装は1980年代からでピーク時には印刷・情報用紙の約3割を偽装していたとのこと。
 1980年代からということは、もしかしてあの古紙70%で再生コピー用紙の先駆けとなった「やまゆり」も偽装していたのだろうか?
 再生紙技術の高い王子製紙が偽装するなら他社の偽装は「当たり前」という気がするくらい、報告書は製紙業界全体に偽装が蔓延していたことを示す内容になっている。
 大王製紙と北越製紙ではケナフやバガスなどの非木材紙も偽装していたとのこと。既に社長の辞任が決定している日本製紙に加え、北越製紙の社長も辞任を表明。王子製紙は82人もの処分者を発表した。

 一応反省しているようには見えるが、しかし「古紙1%でも再生紙」などという定義をこの期に及んでも主張する業界の真意はどこにあるのか、ぜひ知りたい。

http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20080220AT1D200BS20022008.html

http://news.tbs.co.jp/20080220/newseye/tbs_newseye3784804.html

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経団連もC&Tや環境税の検討に入る

 経産省は、これまで断固として反対してきたキャップ・アンド・トレード(C&T)や環境税を検討する私的研究会を月内にも発足させることに決めたそうだ。研究会は、学識経験者や産業界、NGOなど10名で構成され、7月の洞爺湖サミットまでに論点を整理するとのこと。
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200802210009a.nwc

 経産省が重い腰を上げ研究会を立ち上げるということは、経団連もようやくC&Tや環境税の導入をこれ以上阻止することは得策ではないと判断したのだろうーと思って新聞をめくったら、経団連会長が「地球環境問題をテーマとするサミットの主催国として、これを成功させるためにも検討していくのがカギになる」とC&Tを容認する姿勢を示したとあった。「方向転換を示唆したもので、導入にむけた議論に弾みがつきそうだ」とのこと(日経2008.2.21)

 アメリカも大統領選後は環境対策に力を入れるはずだから、日本も置いてきぼりをくわないよう、本格的に動き出すための準備会をようやく立ち上げたといったところだろうか。

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2008年2月15日 (金)

「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」の問題点(6)ー紙4

 著書によると、製紙業界の要望で経産省が動き紙リサイクルが「民から官へ」移行したということだが、そうではなく、民から官への流れは「ゴミ問題」が深刻になったせいだ。ゴミの最終処分場不足に悩む自治体ほど、紙ゴミをなんとか減らそうと古紙回収に助成金をつけてリサイクルを強化した。助成金だけではラチがあかず、古紙を自ら行政回収しようという自治体も現れたが、氏が主張するように製紙業界と経産省の「作戦」が成功したためではない。その証拠に、ゴミに悩んでいない自治体は、助成金もなければ行政回収もしていない。いまだに完全に「民」まかせだ。
 氏が自説の根拠にしている古紙価格の推移は、製紙業界の「作戦」説がなくても充分説明がつく。1970年代から1980年代初頭にかけての古紙価格幅の激しい上下はオイルショックが大きく影響しているし、1990年代の長期低迷は、ドイツの古紙がタダ同然でアジアに流れ込んできたことや円高による輸入紙の増加、自治体によるゴミ減量のための紙リサイクルの強化などが影響している。

 業界や官庁の「作戦」説や「利権」説は話としては面白いが、それが紙リサイクル批判の根拠にされてはたまらない。
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「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」の問題点(5)ー紙3

 氏の説では、<自然を守れ>という運動によって木材の需要が減り、「北欧の森林が無駄に捨てられている。もちろん日本の森林はほとんど使用されずに、木は腐っていくだけだ」「ここでも環境運動が環境を破壊している」(172頁)ということだが、これは本当だろうか?

 まず、自然保護運動により木材の需要が減ったということだが、南洋材は確かに熱帯林保護運動により輸入量が減ったが、その分北洋材(ロシア材)が増えた。「無駄に捨てられている」とご指摘の北欧材(欧州材)の丸太輸入量は減っているが製材輸入量は増えている。無駄に捨てられたわけではなく、現地で製材されてから売られているのだ。おそらく製材残材は北欧で有効に木質バイオマスとして活用されているだろう。

http://www.jawic.or.jp/database/data/data7.pdf
http://www.jawic.or.jp/database/data/data8.pdf

 日本の森林は、これまで自然保護運動のせいで活用されてこなかったわけではない。単に安価な外材に押され価格競争力がなかったせいで放置されていたわけだが、最近外材の高騰で国産材が見直されはじめた。また、環境保護の気運とともに持続可能な森林経営が見直され、京都議定書のおかげで森林整備が進みつつある。
 現在日本では、製紙原料は木材需要量の約4割を占めているが、もしリサイクルを一切やめ、その分すべて木材で補うとなると単純計算で木材需要量は6割増しになる。

http://www.rinya.maff.go.jp/j/press/kikaku/pdf/070928.pdf

 「紙のリサイクルが森林を守るのに何の役にも立たなかった」(173頁)などということは絶対にありえないのだ。
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2008年2月13日 (水)

「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」の問題点(4)ー紙2

 昨日に引き続き、紙について。
 日本で使っている紙は、インドネシアや中国などで作られたものもあれば、国内の製紙会社が作った紙もある。国内で作られる紙の原料は大きく古紙とバージンパルプに大別される。
 バージンパルプの原料の多くは木材チップであり、木材チップには広葉樹チップと針葉樹チップがある。広葉樹チップの2006年の消費量は1287万トン、針葉樹チップは636万トンで、輸入先の内訳は以下のとおり。

 輸入広葉樹チップ:オーストラリア34%、南ア24%、チリ16%、ベトナム6%、ブラジル5%、ウルグアイ3%、その他11%
 輸入針葉樹チップ:オーストラリア42%、米国31%、カナダ11%、ニュージーランド8%、その他8% (財務省通関統計)

 このデータからみても、著書171頁の「紙のリサイクルと熱帯雨林や開発途上国の森林は関係がない」とか173頁「熱帯雨林を守りたいのに北方の先進国から来る紙の原料を節約しても、熱帯雨林の減少は止められないのは当たり前なのである」などの記述は明らかにおかしい。それに熱帯雨林だけを守りたいと思っている人ばかりではない。オーストラリア(なかでもタスマニアの原生林)やカナダの天然林も守りたいと紙リサイクルに取り組んでいる人は多い。

http://www.jatan.org/jn/JN62canada.html

http://www.jca.apc.org/jatan/woodchip-j/tasmania.html
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2008年2月12日 (火)

「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」の問題点(3)ー紙1

 本の順を追って書こうと思ったが、書きたい所から書くことにして、第4章の紙の部分について。
 171頁「紙のリサイクルと熱帯雨林や開発途上国の森林は関係がない」というのはまったくの誤り。インドネシアから大量のコピー用紙が製品として輸入されているのだ。
 多くの量販店に山積みされている真っ白なバージンパルプ100%のコピー用紙は熱帯雨林と密接な関係にある。ぜひこれらのサイトを見てほしい。

http://www.jca.apc.org/jatan/ipp/index.html

http://www.wwf.or.jp/activity/forest/news/2008/20080116.htm

 食品と違って原産国表示がなくてもよいので一見したところわかりにくいが、インドネシア製だけでなく中国製のコピー用紙もあれば、国内メーカー製でも原料はオーストラリアの貴重な原生林というのもある。

http://www.jca.apc.org/jatan/woodchip-j/australia.html

 ちなみに、今発覚している再生紙偽装がもし行われず、グリーン購入法の古紙配合率が守られていたとしたら、伐採されることのなかった森林面積を計算すると、大手5社分だけでも一年間に東京ドーム485個分になるそうだ。

http://www.foejapan.org/forest/doc/080201.html
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「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」の問題点(2)ーペットボトル

 著書はまずペットボトルで始まっているが、この件は反論本「…ウソのウソ」に詳しく触れているそうなのでここでは省く。

 しかし一言だけ。氏はペットボトルのリサイクルを「今では環境を守るためのトップバッターのようにいわれている」と書いているが、少なくともゴミのNGOでペットボトルのリサイクルを積極的に進めているところはないのでは?多くは「できるだけペットボトルを使わないようにしよう。使ってしまった場合はリサイクルを」とすすめているはずだ。3Rとか4Rとかいいながらペットボトルの使用削減を呼びかけている環境団体が多い。
 だからアサヒビールがビールのペットボトルを作るといった時もNGOはこぞって反対して撤回にこぎつけた。決して「じゃあリサイクル量をもっとふやそう」とはいわなかった。リサイクルしようがすまいが今のままではペットボトルは作れば売れる。リサイクル量を減らしたければ税金の投入をやめ、「受益者負担」にしてハナからリサイクル費用を上乗せして販売するのが一番良いのではなかろうか。

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2008年2月11日 (月)

「環境問題はなぜウソがまかり通るのか」の問題点(1)

 武田邦彦著(洋泉社)のこの本を遅ればせながらはじめて読んだ。この著書の問題点を人づてに聞いてはいたが、自分では読んでいなかった。わざわざ読んで気分を悪くするのもイヤだったし、買ってまで読む気にはなれなかったから。
 反論本「“環境問題のウソ”のウソ」(楽工社)が出たと聞き(まだ読んでないが)、これで少しは「武田説」が沈静化すればよいと思いつつ、なぜ武田氏の本が一般の支持を勝ち得たのか(反対にいえば、なぜここまで「環境」が嫌われたのか)に興味がでて、図書館で借りて読むことにした。
 読む前に私が思っていたことは、「著者はリサイクルを否定することで、浪費するなといっているのだろう。それなら、私も同意見だ」ということだが、残念ながらこの著書を読んだ限りではそれを読み取ることは難しかった。
 末尾の言葉「もっと心豊かで平和であり、真面目に着実に働く人が尊敬される牧歌的でシンプルな社会をもう一度つくり直すということに中心をおいた方が余程、環境問題に向き合うことになる」という言葉には基本的には反対しないが、それがなぜリサイクル否定、ダイオキシンの毒性否定につながるのかが理解できない。
 「リサイクルで儲けている人、ダイオキシンが大げさな毒物でもないのに猛毒だと言って利益を受けている人、そして地球温暖化もそのこと自体を自分の出世の道具にしている人たち」を「糾弾」したのは「そこにこそ環境を壊す問題があり、日本の伝統的文化を根こそぎ破壊する危険が迫っていると考えるから」といわれても、どこをどう考えればリサイクル否定、ダイオキシン毒性否定が日本の伝統文化を守ることに結びつくのかが、どうしても私には理解できない。そして、この本の真の目的がどこにあったにせよ、ペットボトルもレジ袋も紙も燃やす方がいい、ダイオキシンや環境ホルモンの危険性も「ウソ」、節電も意味がない、などと書くことでそれらの意識を読者に植え付けているのを見過ごしていては「肯定」と取られかねないと思いはじめた。
 ということで、今日から数回に分けて、この本の問題点を私なりに整理してみたい。
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2008年2月10日 (日)

菓子もラーメンも化学調味料無添加!

 冊子「食品と暮らしの安全」No.226(発行人:小若順一)によると、韓国ではスナック菓子もインスタントラーメンも化学調味料が使われなくなっているそうだ。
 きっかけは、2006年3月8日の韓国KBS(日本でいうNHK)の番組。菓子類に含まれる7種の食品添加物が子どものアトピー性皮膚炎を悪化させていることを「お菓子の恐怖」と題して報道した。大反響があり、菓子類の売り上げが15%も減少。その後、食品安全の関心の高まりの中、韓国消費者連盟がインスタントラーメンのメーカーと交渉し、「無化調」を実現したという。
 おかげで、韓国のインスタントラーメンにはほとんどすべて「MSG無」(グルタミン酸ナトリウム無添加)と書かれているとのこと。調べてみたら、グルタミン酸ナトリウムだけでなく、核酸や有機酸などの化学調味料も無添加だったそうだ。
 カルビーのポテトチップスやかっぱえびせんも日本で売られているのは化学調味料が入っているのに、韓国のには入っていないとか。
 この日韓の違いは何だろう?日本でもアトピーは増える一方。韓国を見習って、ぜひ日本のお菓子もラーメンも「無化調」にしてほしい。

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アレも、コレも偽装?

 ずいぶん手厳しいご意見をいただきました。

かねてから、偽装・虚偽表示の疑いが濃厚であると「感じている」ものについて記すことにします。 1つ目は、米の生産年表示、産地及び銘柄の偽装です。これは当たり前すぎて、証拠が出てきても大した影響は無いでしょう。 2つ目は、乗用車の環境性能の「星」の数です。技術的な革新が有ったとは思えないのですが、年を追って全メーカー揃って「星」の数が増えてゆきます。未燃焼ガスはともかく、窒素酸化物って減らすの難しいからその辺が既に怪しいし、ましてや二酸化炭素は、燃料消費を減らさない限り、装置を駆使して減らせるものでは無いから、更に困難です。 もうひとつ挙げるなら、家電製品、特に、エアコンや冷蔵庫の電力消費量です。これも技術革新も無く、よくも毎年順調に減って行くものだと感心しています。

 ご意見ありがとうございます。
 これほど偽装が蔓延していると確かに疑いたくなりますね。偽装でなくても、自分に必要のない機能がついていると「これでホントに省エネ?」と文句をいいたくなります。
 将来的には、産地の偽装はDNAなどの検査技術の進歩でだいぶ減ってくるようですし、家電などの性能も国際的な基準が整備されることで信頼性が増してくるといいですね。
 現状では、やはり(たまに偽装されたのがあったとしても)エコマークやeマークなどを基準に選ぶのがよいのではないかと思っています。

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2008年2月 9日 (土)

繊維 to 繊維・・脱色も可能!

 「ボトル to ボトル」のペットボトルリサイクルで有名な帝人ファイバーがポリエステル製の服から服へリサイクルしている。
 昨日(2008.2.8)の日経新聞夕刊によると、2004年にリサイクルを本格的にスタートさせ、「年間の処理規模は一千万着分に達する」ほど順調。しかも「独自の脱色技術でどんな色の服でも原料に戻せる」そうだ。
 対象とする衣料品はポリエステル80%以上のもの。「再生ポリエステルは通常の石油から作る場合に比べエネルギー消費量や二酸化炭素排出量を約八割削減できる」とのこと。
 作業服などにポリエステル製が多く、事業所単位で回収できることから、効率よくリサイクルが進んでいるのだろう。

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今度は再生樹脂偽装(2)

偽装の理由はやはり「品質重視」。
http://www.fabro.co.jp/happoto.pdf

再生品ではない通常の樹脂を使用することで、「より高い品質の製品を供給している」との甘い認識の下、コンプライアンス、特に環境への社会的重要性について認識が不足していたためでもあります。

 「再生品」ということが消費者が求める「品質」であることを認識してなくて、「きれいならいいだろう」と安易にバージン原料を入れたらしい。再生紙偽装と理由はよく似ているが、(一部の製紙会社のように開き直らず?)今後再生技術の向上に努めてほしいと思う。

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今度は再生樹脂偽装(1)

 またまた偽装発覚。今度は再生プラスチックだ。
 家庭でも簡単に再生はがきができるほど単純な紙リサイクルに比べ、プラは品質のよいリサイクル品を作るのは至難の業。古紙はインクを洗い流せばすむが、色つきのプラスチック製品の色を除去する、なんてどうやったら可能なのだろう?(難しいから、色つきのペットボトルが廃止になった?)
 その性質を考えると、プラのリサイクルには「見た目にはこだわらない」という覚悟が必要だと思う。
 その覚悟を販売者も消費者もしっかりしないことには、再生樹脂の普及は難しいかもー(擬木とか車止めとかなら、再生樹脂で充分でしょうけど)。

 コクヨS&Tは再生紙でも被害を受けたばかりなのに、再生樹脂もなんてあまりにも気の毒…、でもこれに懲りて「再生品」から撤退しないようにお願いしたい。
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080209k0000e040020000c.html

(付記)
 ここには「仕上がりが安定しなかった」原料とは、「回収食品トレーなど再生樹脂」とあるが、日経新聞(2008.2.9)には「食品トレーの不良品や端材を使うつもりだった」が新品樹脂を使ってしまったと書いてある。おそらく一般家庭から回収した異物がついている可能性のあるトレーではなく、出荷前のまだきれいなトレーを使ってもなお見た目のよいものができなかったのだろう。
 プラのリサイクルは本当に難しい。

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2008年2月 8日 (金)

紙製品販売各社の対応出そろう

 紙製品を取扱う販売各社の対応がほぼ出そろった。
http://www.beitsubo.com/news/article.asp?news_id=13802
 キャノンマーケティングジャパンの対応が解せない。

日本製紙の再生コピー用紙は販売を中止し、同じく日本製紙の上質コピー用紙で代替。ただしユーザーが現在使用中の再生コピー用紙を希望する場合は、古紙配合率が表示と異なる旨を了承してもらったうえで販売している。

 そっかー、随分ものわかりがいいのねぇ。再生コピー用紙は販売を中止、同じ会社のバージンパルプで代替する、でも消費者がよければ今までと同じ偽装再生紙も売るよ、というわけ。
 偽装してなかった他社製の再生コピー用紙は数に限りがあるから、そういうのをすぐに扱えとはいわないけど、なんだかこの対応、他社にくらべても安易でないかな?今後再生紙をどのように扱っていくつもり?
 今回のエコ偽装、冷凍赤福以上に怒ってる人がいるの、わかってますか?

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古紙回収助成金は既得権?

 リサイクルに行政がカネを出すとロクなことはない、誰もがそう思ってるに違いない…と思っていた。もちろん現状は、容器包装リサイクル法でもリサイクル費用の税金負担分は多い、がそれは一時的なことで、いずれは消費者や事業者が応分の負担をするべきだ、必要なリサイクルは受益者負担が原則だ、絶対にみんなそう思ってるはず!と思っていた。でも、そんなことはないらしい。

 先日静岡市へ行ったとき、不思議な話を聞いた。

 友人が、古紙回収の説明会にでかけたところ、市の担当者が住民から苦情を受けていたという。その苦情とは「最近、新聞販売店が古新聞を集めに来る。やめさせてほしい」というものだったそうだ。
 古紙が余って困っていたとき、私は静岡市に住んでいたので、静岡の新聞販売店に「古新聞を集めてくれ、東京の方の販売店では集めてくれるそうだけど」とお願いしたことがあった。そのとき販売店は「そうですね、検討します」といっていたのを思い出した。
 古紙不足で古紙に価格がついた今、販売店はようやく検討してくれたらしい。いつまた古紙が余って逆有償になるかわからないのだから、排出者の責任として販売店が回収するのはよいことではないか(まさか古紙が余ってきたから回収やめます、と販売店はいわないでしょ?)と思うのだが、静岡市で町内会回収をしている自治体にいわせると、せっかく町内会で古紙回収して稼いでるのにそれをみすみす持って行くなんて許せないー」ということらしい(売却費用と助成金で「一粒で二度オイシイ」のはわかるけど…ね)。
 助成金なんて、古紙が余って困っていたときならともかく、古紙が有償になったら、さっさとやめるべきだ。
 以前は助成金を出していてもここ数年廃止した市は多い。静岡市も住民の反対をおそれず古紙の助成金制度はさっさと廃止すべき。そうすればこんなクレームはつけられないし、本来の古紙回収の姿に戻るはず。集団回収をやってない地域の行政回収はやむをえないかもしれないが、それはリサイクルの本来のあり方ではない。
 でもきっと助成金制度をやめると、市会議員を使った団体が「なんで町内会の収入を奪うんだ」とかなんとか、乗り込んでくるんだろうなぁ。。。

 ちなみに、奈良市の我が地域の古紙回収屋さんの引取り価格は下記です。皆さんの地域はおいくらですか?
○新聞5円、雑誌3円、段ボール4円、牛乳パック6円/kg
○市からの助成金はなし(数年前まであったとか)

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歩きたいのよタカナワ♪

 古いけど、そんな歌もあるくらい高輪はなんとなくよい街で、プリンスホテルもそれとなく好きだったのにー。

 今回の日教組の全国集会の一方的な契約破棄は残念・・。てっきり右翼の脅迫かなぁと思って同情していたら、違うらしい。「右翼団体からの圧力は一切なく、右翼団体をおそれて解約したのでもない」との声明を出したそう。じゃあどうしたのかっていうと、「街宣車の大騒音の中で」行われる恐れのあった周囲の学校の入試や結婚式に配慮したとのこと。
 ナーンダ・・・そんなことだったの?と一気に脱力。要するにそうなったときのクレームを畏れたのねぇ。警察も随分なめられたものだ。学校近くの街宣車の取り締まりも頼めないほど、何もやってくれないと思われたなんて。結婚式だって、街宣車の騒音くらいで迷惑がられるとは限らないし・・少なくとも私なら、、、マッタク気にしない。
 そんなんで、裁判所の仮処分決定まで拒否したなんて、シンジラレナイ。もし街宣車が近所迷惑になったとしても、それで評判が悪くなるのは右翼でホテルじゃないと思うけど、こんな商道徳に反する契約解除事件をおこしたら、プリンスホテルグループ全体の評判が地に落ちてしまう。 
http://www.nikkansports.com/general/f-gn-tp0-20080207-318098.html

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2008年2月 6日 (水)

古紙パルプと木材パルプ、どっちが安い?

 下記のご意見をいただきました。ありがとうございました。

 古紙は消費者レベルの排出者からはタダで供出させていると思います。そんな状態でも、製紙原料になる頃には新パルプのほうが安いから再生紙は高いと言われてきたと思ってきましたが、違うのでしょうか?中国では、日本から輸入した古紙で、一体どんなものを作っているのでしょうか?まさか燃料にするんじゃないでしょうから、新パルプより安いから使うのでしょう?

 古紙は木材チップより安いです。再生紙のコピー用紙が以前高かったのは、古紙をパルプにする装置を製紙会社が新規購入したため、その費用が上乗せされたためです。
 中国では非木材繊維を使った製紙工場が多く、排水処理が不十分で環境破壊が指摘されていたため、国も古紙パルプ使用を奨励しているそうです。
 ちなみに中国では日本の古紙で段ボールなどの板紙を作っています。

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中国餃子の影響で

 中国の食品はどうも…とカオをしかめる人が増えてきた。ジョーダンいってはいけない。チャイナフリーなど土台無理な自給率40%の日本は、ひたすらありがたく中国から食べ物を送ってもらわないと、飢え死にしてしまう。もし温暖化が進んで、食糧危機や水不足にでもなって輸入がストップしたら、それこそ大変!
 だいたい中国製食品が怖くて、なんで中国製割り箸を平気で使えるのかわからない。口に入れるのだから、同じだと思うけどー。
 でもこれを機に、国産野菜がスーパーにたくさん並ぶのはうれしい。食料自給率が少しでも上がれば食糧難対策にもなるし、フードマイレージ減少でCO2削減にもつながる。

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進むレジ袋有料化

 マイバックキャンペーンばかりしていても、有料化しなけりゃ減るわけないー!中国にも先越されて、いったい日本は何やってんの?とぼやいていたが、最近一気に有料化に取り組む自治体がふえた。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200802050059.html
http://mytown.asahi.com/ibaraki/news.php?k_id=08000000802020002
http://www.chunichi.co.jp/s/chuspo/article/2008020101000241.html
http://www.chunichi.co.jp/article/gifu/20080201/CK2008020102083968.html
http://dekirueco.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_9927.html

 名古屋市、広島市、山梨全県、ひたちなか市、瀬戸市、岐阜県輪之内町、大垣市、三重県桑名市、伊勢市、・・・他多数。
 これ程の広がりになったのは、容器包装リサイクル法の影響か?暗いニュースの多い昨今、ちょっとうれしい。

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リサイクルシステム議員懇談会

 先日(2008.1.31)、衆議院議員会館で開催されたリサイクルシステム議員懇談会に参加した。
http://mainichi.jp/select/science/news/20080201k0000m010136000c.html

080131_120901 昔あの辺でOLをやっていたとき、毎日建物は見ていたが中に入ったのは初めてだったのでちょっとうれしかった(単なるミーハー)。
 再生紙偽装問題への関心から、多くの関係者が集まっていた(製紙会社は少なかった)。
 「いいわけばかりして、本気で悪いと思ってない!」「品質を優先したというが古紙何%というのも消費者が要求する品質基準だ!」「再生コピー用紙が作られはじめた頃はまだバージンパルプより高かった。高いけれど環境によいから、と買い続けた消費者もいるのにー」などなど、皆さん真剣に怒っていた。
 参加者の怒りに接して、製紙連合会はこの日を境に対策に本腰を入れるようになった・・・気がする。
 製紙連合会が懇談会直後に発表した10億円の環境対策や「古紙と環境検証委員会」はこの懇談会の影響を受けているのではないか?(と勝手に思っている)
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/business/K2008013102600.html
http://www.nikkeibp.co.jp/news/flash/560184.html


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2008年2月 4日 (月)

人畜有害な珍説ーもっと二酸化炭素を出そう?

 昨日(2008.2.3)の読売テレビ「たかじんのそこまで言って委員会」に中部大学の武田邦彦氏が出演し、驚くほどひどい話をしていた。
 以下は武田説 ( )内はそれに対する感想
1. ダイオキシンは怖い物質ではない。セベソでは誰もダイオキシンで死んでない、奇形児も生まれなかった。(この説は以前一橋大学であったシンポジウムで、東大の先生に真っ向から否定され、武田氏は反論できなかったのに、まだ自説に固執しているらしい)
2. 枯葉剤の影響もない。あの辺は昔からシャムの双生児とか奇形の多い地域。(シャム双生児も枯葉剤の影響では?)
3. ゴミの分別は環境を汚す。燃やすのが一番いい。(相変わらずのリサイクル批判。何もかもいっしょくたにして燃やした場合の環境負荷は考慮しなくていいらしい。)
4. 海面上昇は熱膨張により最大11センチ上昇するだけ。ツバルは海面上昇ではなく、珊瑚礁の島だから沈んでいる。(11センチの根拠は?ベニスでも海面上昇の影響を受けているが、ベニスも珊瑚礁?)
5. リサイクル率100%でないとダメと環境省はいっている。木の成長分は伐っていいのに日本ではそれもダメだと〜(グリーン購入法のコピー用紙の古紙配合率のことをさしているらしいが、バカバカしくて反論する気にもならない。すべての木材の成長分を紙の原料にするつもりだろうか?悪のりした他の出演者が、利権が絡んでるからだ!とか何とも信じがたいことをいっていた。再生紙を使うとなんで環境省の役人に「利」があるといっているのか理解に苦しむ。利をもたらしそうな大手製紙メーカーは軒並み再生紙から撤退したいと思っているから、再生紙の古紙配合率を減らした方が利があるはずなのにー。それとも古紙再生促進センターや全原連が環境省の天下り先になっているとでもいうのだろうか?)

 その他、IPCCがどうの、シロクマがおぼれる心配より目の前の毒(中国製冷凍餃子)を心配しろなどとも言っていたけど、この番組を流している読売テレビと番組提供者の良識を疑った。
 ついでに武田サンのホームページを見てみたら、温暖化してあと7度気温が上昇した方がいいから、「もっとみんなで二酸化炭素を出そう!」と書いてある。
 話題になることならなんでも言う人みたい。マジメに反論した私がバカだった・・・。

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