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2008年7月14日 (月)

「ボクは杉が可哀相でならない」

 この土日、森林研修会に参加した。
 『ことわざの生態学』(丸善ブックス)や『森の文化史』(講談社学術文庫)の著者であり、国民森林会議会長である只木良也先生も講師としてご同行してくださった。
 帰路、幸運にも途中まで先生と同じ電車で雑談する機会に恵まれた。表題はこのとき先生のおっしゃった言葉。
 「日本の森林が吸収するC02の75%は、杉や桧の人工林が吸収している。それなのに、近頃では杉は邪魔者扱いされてしまって・・」というのがその理由だった。
 日頃から、スギやヒノキの人工林が広葉樹林より劣るといわんばかりの風潮に怒っていた私は、先生の言葉に心から同意し、「人工林は日本の森林面積の40%しかないのに、CO2は75%も吸収しているのですか」と尋ねると、先生の試算ではそうなるとのこと。
 比叡山での研修中、ご案内いただいた延暦寺のお坊さんも「弁慶の水」のところで立ち止まり「この上は針葉樹の人工林ですが、一日480トンも水が湧きます」とおっしゃっていた。
 森林は、日本の貴重な資源。針葉樹の人工林を広葉樹林に転換したり、混合林化したりするのがここ十年程の流行りだが、見た目や個人の好み、一時的なブームだけで安易に結論を出さず、広葉樹植林の際はもう一度よく考えてほしい。

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