『偽善エコロジー』マイハシはエゴ?(3)
「続・『偽善エコロジー』マイハシはエゴ?」について、下記のコメントをいただきました。
7月26日の「続・『偽善エコロジー』マイハシはエゴ?」に書かれている「間伐や枝打ちしたときにでる端材を用いた方がよいのです」…うーん、自分で一度枝を拾ってきてナイフでハシを作ってみたらどうだろう?」で、武田氏の記事を間違いと指摘してますが、間伐材は、結構、大きな材木です。間伐材=枝という認識ではなく、木を育てるために、隣の木を切る(初めから、間隔を空けて植えると競争意識がなく、育たないので、間隔を狭めて植える)。 箸を作っている業者さんのページです http://www.northmall.jp/waribashi/
ご意見ありがとうございます。
私が武田氏の記事を間違いだと指摘しているのは、間伐材で割り箸を作るか否かについてではありません。日本では昔から端材で割り箸を作っていますし、間伐材で作ることも最近では増えています。アドバシも活躍していますね。私も国産割り箸はそれなりに応援しています。
29頁「割り箸のように小さなものは、間伐や枝打ちしたときにでる端材を用いた方がよいのです」には、二重の間違いがあります。
まず、間伐材や枝打ちした枝を「端材」とはいいません。通常、端材とは、柱などをとった残りの部分(背板)をさします。背板以外の余った材を端材ということもありますが、「間伐材」「枝」「端材」はそれぞれ別のものをさします(もちろん間伐材で何かを作ればその残りの部分を端材と呼ぶことはあります)。
そして国産割り箸を背板や間伐材では作りますが、枝打ちした枝では作りません。
間伐材と一口でいっても、サイズはいろいろです。ご指摘のとおり、「結構、大きな材木」である場合もあります。植林して何年目で間伐するか、何回間伐するかは土地によっても、林業家によっても異なりますが、一回目の間伐(20年未満)で伐った間伐材は細すぎてあまり役に立たないので森から持ち出さないのが普通です。割り箸にする間伐材も2回目以降のものが多いのではないでしょうか。
25頁の間伐の説明「ポツポツとまばらに植えますと、自分しかいないと安心して、成長が遅くなります。必ず密に植えなければならないのは、畑にダイコンなどを植えるときと同じです。」も違和感を禁じ得ません。
木を密に植える最大の理由は、木をまっすぐ育てるためでしょう。できるだけ木を上から下まで同じ太さにまっすぐ育てるためには密植は欠かせません。密植していれば、枝どうしがこすれて自然に落ちることも多く(自然に落ちなかった枝は枝打ちが必要ですが)、節のない材を作るのにも役立ちます。
ご紹介いただいたサイトを拝見したところ、広葉樹(おそらく天然林)の間伐材を割り箸にしていますね。武田氏が話題にし、私がコメントしているのはあくまでも針葉樹人工林の間伐のことで、同じ「間伐」といってもだいぶ意味が異なります。
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