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2008年8月20日 (水)

『偽善エコロジー』を検証する「紙4」

 「牛乳パックのリサイクル→判定 意味なし」(148頁)について。武田邦彦氏は、「牛乳パックのリサイクルは、環境という意味ではほとんど意味がありません。」(148頁)という。理由はまず、量が少ないからだそうだ。

 日本は急激に発展し、それに伴って紙の消費量が3000万トンまで増えました。そんな中で、牛乳パックに使う紙の量はそれほど多くなく、約40万トンにしかすぎません。それに加えて、牛乳パックは、開いたり洗ったりしなければなりませんから、たとえば2006年の実績では、牛乳パックの消費量の4分の1である23.2%(10万トン)が回収されているにすぎないのです。つまり、一所懸命になって牛乳パックをリサイクルしても、紙の消費量が3000万トンですから、10万トンというと、わずか0.3%、つまり300分の1にしかならないということです。(149頁)

 牛乳パックの紙の消費量が約40万トンにすぎないから、リサイクルしても意味がないなどとは、とても驚いた。再生紙偽装との絡みで、結論が二転三転したコピー用紙のグリーン購入法の基準改正案は最終的に「古紙100%維持」と決まったが、この基準がカバーするコピー用紙の量を氏はご存知だろうか?
 国の機関が購入するコピー用紙はわずか6万トン。国と歩調を合わせて古紙100%のコピー用紙を買う可能性のある地方自治体や民間会社などの需要をあわせても年間約30万トンにすぎない。
 この30万トンのコピー用紙について、武田氏自身も同書に書いている。

 実は、「100%リサイクル紙」がよいと運動している人は、このシー・シェパードと同じ考え方といえます。日本では、お役所がコピー用紙は100%リサイクル紙に限るという法律まで作り、それに税金をかけて購入しているのですから、お役所自体がシー・シェパードと同じ思想なのです。日本のお役所は、暴力は振るいませんが、100%リサイクル紙でなければ購入しませんから、強制力があるという意味では同じです。(212頁)

 30万トンのコピー用紙の基準についてこのような批判をしている氏が、40万トンの牛乳パックを量的に少ないからとリサイクルしない理由にするのはおかしい。
 そもそも、こんなに効率よくリサイクルできる牛乳パックを「意味なし」などとはよくいえたものだ。ポリエチレンの間に挟まれた紙はバージンパルプと遜色ないほど上質で漂白剤も必要なし。しかも再生する上で大変歩留まりが良い。その上、ポリエチレンは製紙会社で熱回収できるので、ごみにはならない。私の入っている自治会でも、牛乳パックは古紙回収業者に一番高値で引き取ってもらえる「商品」だ。
 
     つづく

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