古紙嫌いの副大臣 コピー用紙だけでなくトイレットペーパー基準まで変更?
コピー用紙のグリーン購入法の基準が二転三転した挙げ句また変更される。
どう考えてもおかしいと思っていたところ、下記のニュース。
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200810280035a.nwc
(一部抜粋)
古紙配合率偽装が社会問題化した紙については、コピー用紙やトイレットペーパーなどの家庭紙も印刷用紙と同様に古紙配合率70%以上ならば、各国の森林認証制度で認められた木材、間伐材、加工端材などのチップからつくるバージンパルプを原料に使用できるようになる方向だ。印刷用紙などは、一定基準のバージンパルプを30%まで使用可能で、コピー用紙、トイレットペーパー、ティッシュも来年度からは古紙配合率70%以上でグリーン購入基準をクリアできることになる。
印刷用紙の基準をもっと間伐材をいれられるように変える方がよほど合理的(数量的にも社会的にも)で簡単なはずなのに、なぜコピー用紙に執拗にこだわるのか、と不思議に思っていたが、目的はコピー用紙だけではなく、これまで古紙100%で当然だと思われていたトイレットペーパーなどにまでバージンパルプを入れたい、ということだったのか…。
中国への古紙輸出量は今後減ることが予想されている(既に減りつつある)ので、古紙のだぶつきが心配だ。そして何よりも、スギ・ヒノキの間伐材で今の製紙技術ではコピー用紙などできないから、針葉樹の中では比較的コピー用紙になりやすい長野県や東北地方のマツ科の間伐材を多用するとしてもせいぜい1割か1割5分、残りを海外の森林でまかなうとしたら、現在の印刷用紙がそうであるようにオーストラリアからのチップが多用されるに違いなく、本当に間伐材を使いたいのならそのように基準に盛り込んでおかなければ、現在の印刷用紙同様、間伐材は結局はほとんど使われないだろうと思う。
印刷用紙では一般の人が使わないから、一般の人が使う物に間伐材を多用し、森林の大切さをアピールしたいということかもしれないが、一般の人の意識を変えるより先に、よりよいシステムを作っておくべきだろう。意識改革はそれからでも遅くはない。
このままでは古紙の基準を下げるだけで、結局間伐材は使用されない、つまり日本の森林も海外の森林も守られないのではないかと危惧している。
ちなみに最後まで古紙100%のコピー用紙に抵抗していた日本製紙も「今まで言ってきたことをひっくり返したということではなく、納入先についてもどんどん買ってくださいということではなく」などといいながらも、ようやく古紙100%コピー用紙を作り始めた。
http://www.beitsubo.com/news/article.asp?news_id=14836
ここまでようやく進んだコピー用紙や、昔から当たり前に使われていた古紙100%のトイレットペーパーの基準を今さら変更しようとする真の意図を知りたい。
○古紙偽装やコピー用紙の経緯について、下記サイトに詳しくまとめられています。
http://blog.goo.ne.jp/wa8823/e/94296aa76e6753f9b46f782b1cb4340d
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