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2008年12月26日 (金)

ニカド電池の使い捨てで、減らないカドミウム汚染

 資料を整理していたら、2002年の静岡県消費者団体連名の通信がでてきたので、パラパラとみていたら「広がり始めたカドミウム汚染」の記事。そういえば、ニカド電池が新たな汚染源だったけど、その後生産自粛されて減っているはずと思い、検索をかけてみてビックリ。
 確かにカドミウムの国内需要は、1995年頃のピーク時に比べれば減ってはいるが、2007年は2005年より増えている。しかも日本が減った分中国やベルギーは増えているので、海外から安いコードレスフォンや電動アシスト自転車、電動工具、シェーバー、電動歯ブラシ、ソーラーランタンなどを買い集めてくる日本でのニカド電池の廃棄量はむしろ増えている可能性がある。
 
ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議 「カドミウムについて」
http://www.kokumin-kaigi.org/kokumin03_54_07.html

 (一部抜粋)ニカド電池などの二次電池は資源有効利用促進法により製造メーカ等に回収・資源化が義務づけられています。経産省の資料によると2004年度のニカド電池回収量は975トンで、うちカドミウムは205トンでした。カドミウムのリサイクル率は従来30%程度といわれていましたが、実際はこれより遙かに低く一桁台の可能性があります。実態の把握と併せ、リサイクル率の大幅な向上が求められているといえます。

 おそらくニカド電池を普通の乾電池と思いこみ、ごみに混ぜて捨ててしまっている人がとても多いだろう。たとえば使えなくなったコードレスフォンや電動歯ブラシの電池を抜かずにそのまま捨ててしまうなどの行為は後ろめたさを感じずにできそうだ。
 ニカド電池などの二次電池は、多くの自治体では回収していないので、電気店の回収ボックスまで持って行かないといけない。そのことすら知らない人が多いのではなかろうか。
 このサイトの数字をもとに計算すると、2004年度のニカド電池回収量が975トンでこのうちカドミウムは205トン。電池のカドミウム需要を約2000トンとすると、2004年度のニカド電池のカドミウム回収率は約1割、残りの9割がごみとして捨てられている。
 2008年9月26日からEUでは「ニカド電池の上市が一部を除いて禁止され、併せてニカド電池のリサイクル目標が75%に設定され」たとのこと。カドミウムの怖さはイタイイタイ病で十分経験済みなのだから、日本も早急にニカド電池の流通規制や回収率を高めるなどの対応が必要だ。

 カドミウムは現在、我々の主食である米からコーデックスの安全基準(国際的な上限許容量0.4mg/kg)を超えた量が検出されている。野菜は今どの程度カドミウム汚染されているかわからないが、2002年12月2日の毎日新聞によると、オクラや大豆、里芋、ナスなどから国際安全基準を超えた量が検出されていたそうだから野菜も安心できない。
 それにしてもなぜ「ニカド電池」のような環境負荷の高い製品が、不備な回収システムのもとで安く売られてしまうのだろうか?それによる土壌汚染の責任は一体誰が取るのだろうか?
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/nouan/080115_1.html

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