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2009年2月

2009年2月27日 (金)

レジ袋有料化 成功と失敗の分かれ目は?

 川口市で11月からレジ袋有料化したのを機に、住友商事系スーパーのサミットが川口市内の1店舗を有料化したところ6%売上が減少。有料化を中断するとのニュースが先般話題となった。これから有料化を控えた地域の事業者は浮き足立つのではと心配していたが、先日行われた日野市の事業者会議(今年7月から有料化実施予定)では話題には上ったものの、それを理由に有料化をやめるという事業者はでなかったようで、ひとまず安心。
 と思っていたところ、今度はベルク川口前川店も中断するといいだした。
 こちらは有料化した直後に近くに有料化していないドラッグストアができたこともあり、7%から9%の売上減だそうだ。
 川口市内で相次ぐ売上減少による中断の原因は何なのだろうか?もちろん、レジ袋有料化は関係なく単にこの不況による影響が一番大きいとは思うが、市内で有料化に参加していない店舗が多いということが最も大きい理由だろうか?それとも、市民への啓発がうまくいってなかったとか・・頭の固い反対勢力がたまたま近くに住んでいて組織的に妨害したとか・・?

 先日、時々利用している新潟県内のあるスーパーへ行ったところ、これまでマイバッグを持った人などほとんど見なかったのに、突然増えていることに驚いた。新潟県では6月から有料化するという報道はあったものの、まだ一般にはあまり知られていないし、意識されているふうでもない。にも関わらず突然のマイバッグ派の増加・・一体なぜか?
 そのスーパーは、レジ袋に店員さんが買った物を詰めてから渡してくれることをサービスとしている。それが買い物客にとってラクチンなので、これまでレジ袋を断るとポイントカードに押してくれる5円分の印などにみんな見向きもしなかった。「レジ袋いりません」のお断りカードもレジ横に置かれてはいるものの、使っている人などまれ。誰がわざわざカードにハンコをもらうために、面倒なことをする?と思っていたら、何なのだろうこの変貌は?!
 見回すと、スーパーのあちこちに「レジ袋削減にご協力ください」の張り紙がしてある。レジ台にまで「使用したレジ袋をご持参いただければその中に商品をお入れします。どこの店のレジ袋でも結構です」などと貼ってある。

 そうか、店が本気になったんだ・・と思った。店の本気が消費者にも伝わった。おそらくこの店舗は6月からの有料化にむけて、今から本気でレジ袋を減らそうと考えたのだろう。もちろんそれだけでなく、他にも理由はあるのだろうが、とにかく1店舗でも多くのスーパーが地域で一斉に強気で取り組む、そうでなければ有料化は成功しにくい。
 市内に複数店舗持っている事業所が、様子見をしながらおそるおそる1店舗ずつ有料化を「お試し」している例も散見するが、それでははじめから負け戦をしにいくようなもの。消費者になめられても仕方ない。

 それにしても、国が一斉にスーパーやコンビニのレジ袋無料配布に規制をかけていれば事業者も地方自治体も苦労しなくてすんだものを、本当にこの国はリーダー不在だとつくづく思う。

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2009年2月26日 (木)

コンビニや高島屋の廃食油を石鹸・洗剤に再生

 日経新聞(2009.2.25)によると、石鹸製造の渋谷油脂(神戸市)がコンビニやデパートなどから回収した廃食油を原料に、薬用ハンドソープや洗濯用洗剤を製造し、発生元の企業に戻す事業者始めたそうだ。
 食品廃棄物のリサイクル率を2012年までに45%に高めるよう求める改正食品リサイクル法への対応策となるとのこと。 

 リサイクルに参加するのはファミリーマート、和食レストランを展開するサトレストランシステムズ、ユニー、高島屋の四社。ファミマの場合は国内七千四百店のうち二千四百店が対象。いずれも「フライヤー」と呼ぶ揚げ物調理器からでる廃食用油を中心に回収する。専門業者が精製し、せっけんの主原料である脂肪酸に加工する。
 渋谷油脂がリサイクル脂肪酸を用いてハンドソープや洗濯用洗剤を月に五—六トン生産する。ファミマとサトレストランシステムズはハンドソープを各店舗のトイレで使用。ユニーは、ハンドソープをプライベートブランド商品として発売した。高島屋は、洗濯用洗剤を「ホワイトローズ」の名称で三月からギフト用品として売り出す。(日経新聞 一部抜粋)

 廃食油からのバイオディーゼル燃料は、安全面で規制が強化されてきているので、石鹸類に再生する方が低リスクだ。
 熱帯林を破壊して作られた可能性のあるパームオイルなどではなく、国内の食品廃棄物からの原料で作られた石鹸や洗剤は私もぜひ使ってみたい。

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食物をごみにしない「食べきり運動」

 日本でも英国でも「食べきり運動」が行われているようだ。
 友人が紹介してくれた農水省のサイト「食品ロスの削減にむけて」を見ていたら「おいしいふくい食べきり運動」がリンクされていた。
http://ikuhikari.com/default.aspx

 とてもユニークなサイトで、福井県内の家庭が一年間に発生する食品ロス量のことや食べ残しを減らす調理法のアイディアなどが紹介されている。
 英国の「食べきり運動」も紹介されていて、英国も日本と同様の飽食ぶりだということがわかる。

 英国(UK)では、わたしたちが買う食物の3分の1が廃棄されています。
 悲しいことですね?

 さらに悲しいことに、
 その食物の大部分が食べられるものなのです。捨てられているのは、決してバナナの皮とティーバッグだけではありません。
 食物の入った三つの買物袋と、その一つを棄てることを想像してみてください!
 食物をムダにすることは、お金をムダにすることです。

 もっと悲しいことに、
 それは資源をムダにすることであり、気候変動の大きな原因でもあるのです。
 もしわたしたちが食べられたはずの食物をムダにすることを止めていたら、CO2の影響は、路上の自動車の5台に1台を減らすことと同じだったのです。

 幸いなことに
 わたしたちが買った食物を最大限に活用するために、誰にでも簡単で効果的にできることがあります。
 お気に入りの方法を見つけるために、このサイトを探検してみてください - メニューには三つ星シェフや婦人協会からの助言やレシピなど、いろいろありますから・・・

 食物のムダを押さえることで、お金を節約し、環境を守ってください。
 食物がきちんと食べられたとき、わたしたちみんながもっと幸せになれます。

 英国では「Love Food, Hate Waste」(食べ物を大切に、ごみを減らそう)キャンペーンが大きな成果を上げているそうだ。運動開始後半年で、145万世帯が新たに削減に取組み、50万トンものCO2が削減されたという。
http://ikuhikari.com/WRAP.aspx

 我が国で廃棄されている食品は1900万トンとか。この食品廃棄物のうち食べられるのに捨てられていると思われる食品ロスは年間約500万から900万トンもあるそうだ。
http://www.maff.go.jp/j/soushoku/recycle/syoku_loss/pdf/gaiyou.pdf

 「もったいない」とか「食育」とかいう前に、まず「食べ物を捨てるな」ということを子供に教える場は今はどこが適しているのだろう?
 昔のように家庭まかせにはできなくなっているのは確かだし、学校では給食残飯を出すのが当たり前で、家に食べ残しを持ち帰らせないくらいだから教えられない。税金を使って、国や地方自治体がキャンペーンをするしかないのだろうか?

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2009年2月20日 (金)

川口のサミット レジ袋有料化を中断

 川口市と協定を結び、昨年11月からレジ袋有料化に取り組んできたスーパーのサミットが、売上減を理由に有料化を中止し、3月3日から無料配布に戻すそうだ。有料化以来、毎月6%売上が減ったそうだが、とても残念。

http://www.saitama-np.co.jp/news02/18/09p.html

 市の昨年十二月の発表によると、無料配布を中止した十一月十日から三十日までの集計で、マイバッグ持参のレジ袋辞退率は約80%、削減枚数は約百二十五万枚余りと順調な滑り出しだった。しかし、「サミットストア川口赤井店」は、有料化(一枚三円)直後から市内で有料にしていないほかの既存店(二店舗)と比べ、6%売り上げが減ったという。
 広報室は「6%の売り上げ減はお客さんの意思表示。だまって見過ごせない」と話す。しかし、協定は継続するとしており、今後、お客の理解と支持が得られる状況になったら、あらためて有料化再開を検討するという。

 2007年3月に行った事業者へのアンケート調査によると、「レジ袋有料化の売上への影響は?」という設問に対し、64.6%が「影響なし」と答え、「売上が増えた」という回答も7.7%あったとのこと。
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=9684&hou_id=8423

 6%もの減は、もし有料化しなくとも時節柄起きたかもしれない…とか、お米などのような大きな物は初めからレジ袋付きで売るなどの対応をとれば、売上が回復しないか…などのことは当然考えた上での結論なのだろうが、残念としかいいようがない。わずか3ヶ月で結論を出さずに、せめて半年は頑張ってほしかった。
 レジ袋をなぜ無料で配布しないのか、などの声が来店者からもあったとのことだが、どこの地域にもどう説明しようと決して納得しようとしない人は数%はいるに違いない。そういう人の声に屈しないで、ぜひ川口市内の市民団体はそれをカバーすべく、サミットの店頭に立ち、マイバッグ持参と有料化の意義を来客に訴えて欲しい。
 こんなことのために、有料化を控える事業者が各地に出てはたまらない。

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2009年2月13日 (金)

タスマニアの森と日本のコピー用紙

 今、発売中の『週刊現代』に、フォトジャーナリストの伊藤孝司氏による「日本が消す タスマニアの原生林」が掲載された。
 「世界遺産の島で樹齢数百年の森が伐り尽くされる・・・08年の古紙偽装発覚から1年、しかし日本の製紙会社はこの原生林から生まれる木材チップを大量に買い続けている。世界的な原生林保護の流れに逆らって…」ではじまり、写真中心に3頁の扱いだ。

 (一部抜粋)「日本の製紙会社はオーストラリアの規制の緩さをいいことに、原生林からつくったチップを買い続けている。この伐採には国際的に厳しい批判がある。08年7月に開催された世界遺産委員会では、タスマニアの世界遺産地域拡大をオーストラリア政府に求める決議を採択。隣接地域の原生林を、世界遺産地域に組み込むことで保護しようというものだった。」

 世界遺産地域に隣接する伐採予定地の1つであるウェルド渓谷の写真が掲載されている。まるで屋久島のもののけ姫の森のように美しい森だ。
 コピー用紙の基準変更についても触れていて、古紙配合率偽装はまだ刑事事件として立件されていないのに「グリーン購入法を改訂し、コピー用紙の古紙配合率を現行の100%から、製紙業界が求める70%へと引き下げる方針を固めた。残りの30%に使用されるのは木材パルプであり、その製造にはチップが使われることになる」と批判している。

 このような批判が多数パブコメで環境省に届いているにもかかわらず、まもなくグリーン購入基本方針の変更が閣議決定される。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10756

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2009年2月 5日 (木)

文春が武田エコ批判説に反論 公開質問状

 今日発売の週刊文春(2009.2.12号)に『環境問題はなぜウソがまかり通のか』の著書である武田邦彦氏への反論が大きく掲載された。
 ある意味マスコミの寵児だった氏に対し、これだけのスペースを割いて反論するとはアッパレ…と、文春を見直す思いで読んでみた。
 レジ袋に関して以外は、ほぼ納得のいく内容。レジ袋に関しては、あまり専門知識がないと思われる神戸山手大学教授のコメントが採用されていたのは残念だ。
 その教授らが平成14年に行った調査によると、「80%の人がレジ袋を台所の生ゴミを入れる袋や、ゴミ箱の内袋に再利用していた」「レジ袋がもらえなくなったら、代わりの袋を購入するという人が60%もいる」とのことで、「調査の時点で、レジ袋を再利用しないで捨てるという人は0.8%しかいませんでした。つまり、レジ袋を有料化しても、多くの人がゴミを捨てるために代わりの袋を買うことになり、ゴミの全体量もさほど減らないでしょう」というコメントを紹介している。
 この結論は明らかにおかしい。理由は下記のとおり。
 1つはこのコメントの根拠が7年も前の調査であること。その頃は、ごみを有料化している自治体もまだ多くはなかったからごみの指定袋制を導入している自治体も限られていたが、今はごみ有料化が進み、指定袋を採用している自治体は多い。調査時点と今とでは、社会背景が明らかに変わっているのだ。だから、今同じアンケートをとったら違う結果になる可能性は高い。少なくともごみの外袋としてはレジ袋を使えない地域が増えているのだから。
 次におかしいのは、この調査は人に対する調査であり、実際のレジ袋量は不明であるにも関わらず、量を推定し、「ゴミの全体量は減らないでしょう」と強引に結論を導き出していること。レジ袋をもらえなくなったら、代わりの袋を購入する人が60%いるというが、60%の人が現在もらっているレジ袋量と同量の袋を購入するとは考えにくい。今までタダだからとムダに使っていた分を引き締めると考える方が普通ではないだろうか。同じアンケート結果から、「ゴミの全体量は少なからず減る」という結論を導くことだって可能だ。
 また、同じ平成14年度に杉並区が行った「杉並区中継所搬入ごみ組成調査(平成14年度)」では、ごみ中に含まれるレジ袋の約7割が単なるごみとして捨てられていたというが、そのことをこの教授はご存知ないのだろうか?おそらくレジ袋は専門ではないのだろうから知らなくとも不思議はないが、その手の調査は、例えば京都市が「家庭ごみ組成調査報告」でも行われ、ごみ中にレジ袋の占める割合が、1998年から2001年までの4年間の平均で7.3%(容積)も占めているそうだ。また、『「レジ袋」の環境経済政策』(舟木賢徳著)によると、廃棄物学会論文誌に掲載された福岡雅子氏の論文では、レジ袋がごみ袋として利用できる市での調査で、1枚のごみ袋の中に平均5.4枚のレジ袋が捨てられていて、そのうちの約3割のレジ袋はごみなども入れられることなくそのまま捨てられていたそうだ。
 このような「量」の調査が何カ所かで行われているにも関わらず、7年も前の意識調査的なアンケート結果で、有料化による全体のごみ量うんぬんを推定するのはやめてほしい。レジ袋有料化により、ごみ量は確かに減るという根拠はいくらでもあるのだから。

 とはいえ、レジ袋の害はごみ量が増えることだけではない。そのことを文春にはもっと突っ込んでほしかったが、誌面の都合もあるのだろうか。
 文春がレジ袋に関しては多少歯切れが悪いのは残念だが、それでも武田氏の「エコバッグを使うより、使いまわせるレジ袋」を使用した方がよいとする説の根拠である「レジ袋は石油の不必要な成分を活用している」という点には異論を紹介し、武田氏説に疑問を呈している点は評価できる。
 
 次回の文春では、ぜひ武田氏の紙リサイクル批判についてもとりあげてほしい。
 また、2月号で「温暖化懐疑論」をとりあげた日経エコロジーも、温暖化懐疑論だけでなく、武田氏のリサイクル批判をもきちんと検証し警鐘を鳴らすべきだろう。

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2009年2月 4日 (水)

青森県の次は山口県 新潟県と大分県は6月から有料化

 一昨日レジ袋を有料化した青森県に続いて、4月1日から山口県でも県レベルでの有料化が実施される。
 また、大分県と新潟県では6月からの有料化スタートにむけ、準備がすすんでいるようだ。
 大分県では現在、協定を締結する事業者を募集中とのことで、既に200店舗が参加する意向を示しているとのこと。新潟県でも3月下旬には協定を締結する予定。

http://www.oita-press.co.jp/localNews/2009_123362394697.html

http://www.niigata-nippo.co.jp/pref/index.asp?cateNo=1&newsNo=157057

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若手店主ら エコバッグで町おこし

 青森県で今月2日からレジ袋有料化がスタートした。231店もの一斉スタートなだけに、効果も期待できる。

 既にレジ袋を有料化した地域では、次の取組としてトレーなどの削減も手がけていると聞くが、昨年、有料化した静岡県袋井市でも、新たなムーブメントが起きているという。
 飲食店や美容院、呉服店、生花店などの若手店主らが中心となり、エコを『カッコイイ』に変えたいと、各店が独自にエコバッグを制作し来店者に配ったり、様々なエコイベントを企画しているそうだ。
 個性的でおしゃれなバッグに、若者らの関心も集まっているとのこと。

http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20090202/CK2009020202000167.html?ref=related

エコ袋で袋井まちおこしPR 若手店主ら始動
2009年2月2日
 袋井市内の若手経営者でつくる「袋井エコアクションコミュニティ」が、環境をテーマに地域の活性化に向けた取り組みを始めた。「カッコイイ、エコのまちおこし」と題して若者向けイベントを企画し、まち全体を元気にしようという試みだ。活動第一弾として各店が独自に制作したエコバッグを来店者に配っている。(袋井通信部・夏目貴史)
 このグループは、飲食店や美容院、呉服店、生花店などの20-40代のオーナー20人が「自然豊かで魅力的な店が点在する袋井を地元の若者らにもっと好きになってもらおう」と、昨年12月に発足させた。
 発起人の居酒屋「台所や・いちゑ」店主、小南幸介さん(30)は「自分たちも含め若者は地域や環境について考える機会が少ない。集う場所を提供する僕たちが団結し、行動を起こさなければと思った」と動機を語る。
 活動の手始めとして、全国的に関心が高まっているエコバッグに注目。「『我慢』のイメージがあるエコを『カッコイイ』に変えたい」と、店ごとにデザインしたオリジナルのバッグを制作した。徒歩や自転車で来た客に無料で配るサービスをしている店もある。いずれも店をイメージした色に手書きの楽しいイラストなどを描いた個性的でおしゃれなバッグで、若者らの関心を集めている。
 グループは今後、自主企画する健康ウオークラリーや地域清掃活動への参加を呼びかけるほか、地場産野菜を使ったエコ料理コンテストといった各店の特徴を生かしたイベントを催す計画だ。
 こうした活動を市のトップ、原田英之市長にも理解してもらい、市の各種行事にも積極的に参加したいという。メンバーたちは「袋井市民の皆さんのさまざまな意見を取り入れ、若者を中心とした袋井の新たなムーブメントを起こしたい」と意気込んでいる。

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植林や「どんぐり運び」は慎重に 

 先週末、静岡県で3日間にわたり森林活動の熟練者向けに(社)全国森林レクリエーション協会主催の「森林環境教育リーダー研修」が開催された。山形県についで全国で2例目の開催だとか。これまであまり進まなかった森林環境教育がこれからはどんどん進みつつあるようで喜ばしい。
 その研修の手伝いをしていたところ、あるベテラン講師の一人が雑談で「シイは純林を作りやすい。シイの純林は、荒れた人工林より水源涵養機能が悪いほどだ」といっていた。
 森林関係の著書を多数もつ講師で、山をかなり見ている人だから、確かな情報だろう。
 菌根菌の性質のせいだそうだが、ドングリのなる広葉樹は豊かな森を形成するのに欠かせないものだからと安易に植えるのではなく、やはり自然に手を加えることの弊害は、考えてもなかなかわからないものなのだなぁとあらためて思った。

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アレルギー リンゴの次は?

 近頃、急にアレルギー症状がでるようになった。
 あれやこれやでバタバタし睡眠不足で体調管理が不十分なせいか?とぼやいていたら「トシのせいでは?」という親切な助言をいただいたが、それにしても1つ始まると次々とアレルゲンが増えてくるようなので困っている。
 はじめはリンゴを食べるたびに口内炎ができたが、まさか?と思い食べ続けていた。食べている最中に必ずできるので、ようやくアレルギーだと認めざるをえなくなった。口腔アレルギー症候群というらしい。
 これまで古い魚介類にだけ反応していた身体が、リンゴに反応するようになると、あとは次々とでてくる。どうも駄菓子系のせんべいやクッキーでもでるようなので、間食をやめたらきれいに治った。パンやまんじゅうなどではでないので、小麦粉や小豆はまだ大丈夫らしい。
 一体、駄菓子の中の何に反応しているのだろうか?

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森の再生人 湯浅勲氏 

 昨夜10:00からのNHK「プロフェッショナル」は面白かった。
 「日本の森を救う男あり すご腕・森の再生人!」というタイトルで、日吉森林組合(京都)の湯浅 勲氏が紹介されていた。湯浅氏によるひん死の森の再生法が、林業関係者の注目を集めているという。
 どうせ大袈裟にいっているだけだろうと思い、斜に構えて見ていたが、確かに素晴らしいプロフェッショナルだった。
 いくつか印象的な言葉があったが、そのうちの1つ。急峻な地形にある造林地について、「切り捨て間伐をしなさい。材はとらなくていい。間伐を続けていればいずれ自然の森に還るから」というような言葉があった。間伐だけ続けて、成長した木も収穫しないで放っておけという一見林業家らしくない言葉だが、納得する林業家は多いだろう。
 もちろん、最近の風潮である天然林礼賛、広葉樹林礼賛ではない。「きちんと手をかけてやれば、人工林でも天然の森と同じように、恵み豊かな森となる。」と、氏は明言する。

 切り捨て間伐をはっきりと肯定したこともよかった。「トンデモ本」の影響か、近頃切り捨て間伐を極度に嫌う風潮があり、影響された人たちはまるで間伐材をごみのように考え、ごみを森に放置するかのように切り捨て間伐を責めたり、逆に「もったいない」と貴重な資源を利用しないことを責めたりする。そういう人は、やれ間伐材で紙を作れ、バイオ燃料にしろ、割り箸だ…と小うるさい。また、切り捨て間伐によって、害虫が増える危険性を指摘する声もある。
 しかし場所によっては、ムリに間伐材を運び出すデメリットは少なくない

 半分ほどしか見られなかったので、再放送をまた見たいと思っている。
○ 再放送 2月10日(火曜) 総合 午前1:00〜1:45
http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/090203/index.html

 この番組を紹介してくれた人によると、本もでているそうだ。
○全林協で出版されている本
『山も人もいきいき日吉町森林組合の痛快経営術』
『林業経営力アップ! 痛快人材育成術』

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2009年2月 3日 (火)

広がるナラ枯れ…クマも困ってる?

 別名、広葉樹枯れともいうらしいが、私がこの被害の峻烈さに驚いたのは、数年前の滋賀県の森林を見学したとき。
 葉をつけたまま、本当に一瞬にして息の根を止められたという格好で、立ち枯れているナラ類の木々を目の当たりにしたときだ。尋常ではないその枯れ方に、もし奈良公園の立派なスダジイなどにまで広がったら…と思うとゾッとした。
 森林総合研究所の発表によると、現在23府県に拡大しているそうだ。被害が増加している理由は、薪炭林の放置により、大きなナラ類の木が増えたことが大きいが、温暖化も影響しているといわれている。ナラ枯れを引き起こしているカシノナガキクイムシ(カシナガ)が、枯死したナラ類などの木から他の木へと飛び立つのが、気温が20度位まで上がった日中だからだ。温暖化により、飛翔条件が揃う地域が広がっている。
 まさか、カシナガの好む大きなナラ類を伐ってまわるわけにはいかないので、枯死したナラ類からカシナガが飛び立つ前に、被害木をカシナガごと徹底して除去することが必要だ。だから、被害が広がり手が付けられなくなる前に、被害木をいち早く見つけることが何よりの対策だろう。

 しばらく前から、日本熊森協会の人たちが行う「ドングリ運び」が物議をかもしている。少しでも熊にエサを与えたいというやさしい気持ちは理解できるが、人間がよかれと思ってやることが、結果的に生態系に被害を与えることはこれまでも実証済みだ。いろいろな害が想定される森にドングリをまく行為より、ナラ枯れを食い止めることの方が、熊から感謝されるのではないか…と思う。

http://eco.nikkei.co.jp/news/today/article.aspx?id=NN000Y068%2002022009

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