タスマニアの森と日本のコピー用紙
今、発売中の『週刊現代』に、フォトジャーナリストの伊藤孝司氏による「日本が消す タスマニアの原生林」が掲載された。
「世界遺産の島で樹齢数百年の森が伐り尽くされる・・・08年の古紙偽装発覚から1年、しかし日本の製紙会社はこの原生林から生まれる木材チップを大量に買い続けている。世界的な原生林保護の流れに逆らって…」ではじまり、写真中心に3頁の扱いだ。
(一部抜粋)「日本の製紙会社はオーストラリアの規制の緩さをいいことに、原生林からつくったチップを買い続けている。この伐採には国際的に厳しい批判がある。08年7月に開催された世界遺産委員会では、タスマニアの世界遺産地域拡大をオーストラリア政府に求める決議を採択。隣接地域の原生林を、世界遺産地域に組み込むことで保護しようというものだった。」
世界遺産地域に隣接する伐採予定地の1つであるウェルド渓谷の写真が掲載されている。まるで屋久島のもののけ姫の森のように美しい森だ。
コピー用紙の基準変更についても触れていて、古紙配合率偽装はまだ刑事事件として立件されていないのに「グリーン購入法を改訂し、コピー用紙の古紙配合率を現行の100%から、製紙業界が求める70%へと引き下げる方針を固めた。残りの30%に使用されるのは木材パルプであり、その製造にはチップが使われることになる」と批判している。
このような批判が多数パブコメで環境省に届いているにもかかわらず、まもなくグリーン購入基本方針の変更が閣議決定される。
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10756
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