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2009年3月 3日 (火)

「さくら」は神様が鎮座する木

 まもなく桜の季節。樹木名には神様にちなんだものが多いが、桜もその1つだということを最近、森林インストラクター会報No.88に掲載された森宏太郎氏の文章で知った。

「さくら」とは、「さ(山の神・田の神)くら(坐)」で、「山の神・田の神で鎮座している木」です。なお、「山の神」は、春になると山から降りてきて、「田の神」となり、田の稲を司るのです。その時期が「さ月」といわれる「五月」ですし、「山の神」が山から降りてくる途中の場所が「さ・か(処)」、すなわち、「坂」です。そして、その坂の途中には、山の神に対し、人が花を「手向(たむ)ける」ので、その言葉が変化したのが「峠(とうげ)」です。(一部抜粋)

 昔、松は「神様を待つ木」という意味で、森は「神様がおこもりになる場所だから森と呼ばれるようになった」と聞き、まるでダジャレの世界だと思っていたが、森宏太郎氏によると「「松」の「まつ」は、「神の来臨を待(ま)つ木」で、「門松」は「歳の神」の来臨を待つ松です」とのこと。そして森は、「「森」の「もり」とは、「神霊を護(まも)っている存在」や「神霊が籠(こも)っている存在」の「(ま)もる」や「(こ)もる」の「もる」から来ている」のだそうだ。

 不心得者の私でさえ、桜や松の古木に「神性」を感ずることがある。昔の人はもっと敏感に木に宿る生命力や山の木霊から「神」の存在を身近に感じ取っていたことだろう。
 神霊が籠っていると大切にされていた森が放置されるようになって久しいが、最近ようやく森がまた見直されてきた。神霊ならぬCO2の貯蔵庫としての森林機能がもっとも注目されているようだ。

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