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2009年4月20日 (月)

和紙工房と割り箸工場見学記

 先日、奈良県吉野町へ和紙作りと割り箸作りの見学へ行った。書き留めておかないと、せっかく聞いた行程を忘れそうなので下記へ。

 吉野町の和紙は三椏(ミツマタ)を使わず、楮(コウゾ)を使うとのこと。粘剤はトロロアオイの根ではなくノリウツギの皮を使う。
 作り方は、まず楮を1月に刈り取り約4時間蒸す→幹から皮を剥ぎ取り乾燥→2年間貯蔵し大和川にさらした後、外側の皮を剥ぎ取り白皮だけにし、煮て繊維を柔らかくする(通常はソーダ灰を入れ3時間、良い紙はソーダ灰を入れずに5時間)→再び川にさらし、樫の棒でたたき繊維をほぐす→ねりと白土を加え、紙を漉き、紙床に移し水をきり、板の上で乾かす…という大変な手間をかけるそうだ。

 割り箸工場では、まず割り箸を作る装置を見せてもらい説明を聞いた後、箸作りを体験した。
 製材所から柱を作る行程で出た端材の背板を使い、桧の場合はそれを煮沸ししばらくお湯に浸した後、装置にセットできる形に成形し、カット。このカットしたての割り箸はまだ湿っているのでとても香りが強い。
 杉は桧より繊維が柔らかいので煮沸しないでカットするそうだが、木目の関係で桧より余分に材が必要で、結果的に材料の木は桧の方が高くても割り箸になると杉の方が高くなるとのこと。

 どちらもこれだけの手間をかけるのだから、類似品に比べ高いわけだとあらためて感じた。

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