非木材紙ならケナフより伝統的な和紙で紙漉を
吉野町で伝統の和紙作りを見学した。
非木材紙は、木を伐らない→森を守る→環境にやさしい、と誤解している人がいて困るが、それはさておき、伝統的な和紙はやはり芸術で、和紙作りは製紙産業ではなく伝統工芸だとあらためて思った。
吉野の和紙はミツマタでは作らずコウゾで作る。のりはノリウツギを使うのだそうだ。1月に2年以上たったコウゾを収穫し、蒸して繊維になる皮をはぎ、川で晒し、何時間も煮て、叩く。気の遠くなるような作業だ。まさにスロースタイル。
10年ほど前から、ケナフの紙漉が流行っているが、さすがに最近は下火になりホッとしている。
わざわざ外来種を植える必要はないし、CO2をたくさん吸うといっても所詮一年草。炭素固定できないのに、何で「温暖化防止の切り札」なのかわからないが、紙として炭素固定するという考えなのだろうか?紙になるまでの仮定で、ケナフが吸収した以上にCO2を出すのは当然だし、非木材紙は歩留まりが悪く生産効率も悪いので、木材紙よりエコだという根拠はない。「外国の森を守るため」というのなら、紙の消費量を減らし、再生紙や森林認証紙を普及させる方がはるかにエコだ。
非木材紙の紙漉を楽しみたいなら、ケナフではなく、コウゾやミツマタ、タケ、クズ、稲藁など、昔ながらの原料を使うべき。
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