レジ袋無料配布で「漁夫の利」
世界的にレジ袋は有料化の方向で進んでいるが、景気の低迷とともに、かげりが見え始めた。県や市主導の「地域一斉」の有料化から離脱し、独自に無料配布し続ける事業所が増えてきたためだが、広島県のように一部の市町村が離反する事態にもなっている。
これまでも、有料化した地域で独自路線で無料配布し続ける店はあったが、レジ袋だけのために行きつけの店を変えるような消費者は多くなかったので、無視していてもよかった。しかし、最近は景気の低迷で、レジ袋を有料化すると売上に響くと考える店が増えてきたため、そうも言っていられなくなったという。近隣の店のレジ袋が有料になると、無料配布している店にお客さんが流れ、しかも無料配布の店のマイバッグ持参率まで上がりレジ袋使用量が減るのだとか。
それならば、地域の他店舗が有料化しても自分の店はしない方がいいと考える店があってもおかしくない。まさに「漁夫の利」。
しかし、それでは「レジ袋有料化」はこの先広がらないし、レジ袋削減も頭打ちになるだろう。
先日、あるスーパーのリサイクル品回収ボックスの近くでレジ袋削減の啓発チラシを配っていたところ、ほとんどの人がトレーやペットボトルを入れてきたレジ袋を、脇に設置されたごみ箱に捨てているのを目の当たりにした。
きれいに洗ったトレーなどを入れて来たのだから、また使えばよいものをわざわざ捨てているのは、どうせまた「タダでもらえる」とわかっているからだろう。
たとえ5円でも有料ならば繰り返し使う人が増え、レジ袋削減は進むはずだ。
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