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2009年8月26日 (水)

新聞紙でエコバッグ?いいえ 新聞は古紙回収にそのまま出して

 昨年、新聞で作ったマイバッグというのを友人からもらった。
 その友人も誰かにもらったらしいのだが、その時は気にもとめず、3回ほど使ってダメになったので処分したが、先日の日経新聞(2009.8.24夕刊)にとんでもない記事がでていた。

 「古紙回収された新聞紙は主に東南アジアや中国に輸出され、段ボールに再生されているという。」として「高い輸送費をかけて資源化するより身近で再利用するべきだ」と、新聞紙でエコバッグ(ペパバッグというらしい)を作る講習会を全国で行っているというNPOを紹介していたのだ。
 福岡市内の小学校でも作り方を紹介した冊子を「環境教育」として使っているとのこと。
 その記事のタイトルは「新聞紙でエコバッグ 福岡のNPOが講習会 リサイクル知って」とまるでタチの悪い冗談の様だ。
 そのNPOのHPを見てみると、回収した新聞紙をエコバッグだけでなく、紙器メーカーにも売り渡して、植木鉢か何かも作っているようなので少しホッとした。だが、この新聞紙のエコバッグは今全国的なブームのようで、「新聞 エコバッグ」で検索をかけると、いろんなサイトで作り方を説明していた。

 数回しか使えない新聞紙マイバッグのどこがエコなのかわからないが、「のりとハサミと古新聞」だけで作れることがウケているらしい。
 でも、使用してダメになったこのマイバッグ(のりの付着した古新聞)は、新聞回収には出せまい。ざつ紙回収している地域ではざつ紙で出せるだろうが、していない地域では雑誌で出すのが正しいのだろうか?使用後ごみとして「燃えるごみ」に出している人も多いだろう。
 読み終わった新聞をそのまま古紙回収に出せば、大部分が国内でまた新聞等に再生される。新聞古紙に何割かのバージンパルプ(木材パルプ)を混ぜて新聞紙が作られ、流通し、そしてまた回収される。その循環の輪を「環境」を理由に断ち切る理由はどこにもない。

 もちろん、趣味の工作のために、古新聞を利用するのはいい。
 しかし、「回収された古新聞は主に輸出に回されている」などと、まるでほとんど国内では再生されていないかのような誤った話が、このエコバッグ作りと一緒に全国に広まっているのだと思うとゾッとする。
 確かに、輸出に回されている古新聞は近年増えているが、日本全体ではわずか33万8千トン(2008年)、それに比べ新聞古紙入荷量は494万トン(2008年)。1桁少ないのだ。増えているとはいえ、輸出されている古紙は、回収された古紙のごく一部に過ぎない。

新聞古紙輸出量と新聞古紙入荷量↓
http://www.prpc.or.jp/

古紙輸出量と古紙回収量↓
http://homepage2.nifty.com/koshi-net/data/mdata.htm

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