ポスト京都で、森林算定方法が変更の可能性
『日経エコロジー』2010年3月号によると、森林のCO2のカウント方法が変更になる可能性があるらしい。
京都議定書では、1990年以降の新規植林か、間伐など手入れをした森林のCO2吸収量について、国別に定めた範囲を超えない範囲で、削減目標に利用できる。日本は3.9%まで森林吸収源としてまかなえる計算だが、今のところ3.2%しか達成できそうにない。
次期枠組みでも森林は吸収源として利用できるようになっているが、計算方法が国によって主張がバラバラで、まだ決まっていないそうだが、EU式の計算方法は「ネットネット法」というもので、基準年の吸収量と約束期間の吸収量の差をとり、プラスなら吸収マイナスなら排出と計算するそうだ。
日本が主張している現行の方法は、「グロスネット法」というもので、管理した森林が約束期間中に吸収した全CO2がカウントできる。
ネットネット法の方が、森林管理を活発にするという理由と、過大な吸収量を回避できるため、というのがEUの主張。しかし、若い森林が増えているEUではネットネット法でもプラスになるが、成熟した森林の多い日本では森林はマイナス、つまり吸収どころか排出源になってしまう。
平行線で結着がつかないため、昨年EUは折衷案を提案してきたそうだ。
折衷案は「参照レベル法」というもので、各国が基準値となる参照レベルを設定し、それより上回ればプラス、減ればマイナスになるというもの。
この場合、日本は参照レベルをゼロにして、結果的にグロスネット法と同じ数値となることを主張している。もしゼロが認められれば、2.9%の吸収量を確保できるとのこと。
(「伐採木材製品も炭素蓄積量に算定できる可能性 国産材利用を推進」につづく)
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