消費されるサラワク熱帯林 パームオイルの次は紙
10年程前、マレーシアのサラワク州の熱帯林破壊の問題がマスコミなどでも取り上げられたことがある。アブラヤシ(パームオイル)プランテーションを作るため熱帯林が破壊され、そこに済む先住民族の生活を奪っているといわれていた。先住民族が何度か来日し、私も学習会に参加して話を聞いた。
パームオイルの入ったお菓子や洗剤をできるだけ買わないように注意してきたが、バイオ燃料ブームの到来で、時代はパームオイル大増産を目指す方向に進んでいる。
その影響はサラワクにも及んでいるのか、まだ森林は残っているのかと気になっていたところ、昨日久しぶりでサラワクについての話を聞くことができた。
サラワクには、熱帯林がまだかろうじて残っているそうだが、アブラヤシプランテーションが増え続けているので、いつまで残っているかはわからない状況のようだ。しかも、古いアブラヤシプランテーションは、製紙原料にするためのアカシアプランテーションに「植林」という美名のもとで転換されているとのこと。詳しいことはよくわからなかったが、アブラヤシは肥沃な土地を好むが、アカシアは荒れ地でも育つからというのがその理由のようだ。アカシア植林は2003年頃から始まったらしい。そのアカシアは中国系企業などによって紙にされているという。
以前、サラワクでのアカシア植林が京都議定書で認められているCDM(クリーン開発メカニズム)として検討されているという話もあったから、おそらく日本企業の資金もプランテーションに使われているのだろう。
アカシアもアブラヤシも除草剤を使うので、周囲を汚染しているとのこと。しかも、残った農薬は畑の一隅などに無造作に捨てられてしまうので、土壌汚染は深刻だ。プランテーションで働くのはインドネシアからの移民が多いので雇用の創出にもならない。
10年前も今回も同じ言葉を聞いた。
「伐採による森林劣化はまだマシ。プランテーションは致命的だ。」
先住民による伝統的な焼き畑は、時間がたてば元の植生に戻るが、一度プランテーションにされた土地を元の植生に戻すことは難しい。
「この紙は植林木で作られています」と書かれたコピー用紙などを時々見かけるが、植林木で作った紙だからといって、必ずしも環境に良いわけではない。
パームオイルも紙も、私たちの生活に直結している。安いバージンパルプのトイレットペーパーやティッシュペーパーなども最近は中国から大量に入ってきている。
できるだけ再生紙を選びたい。
○リユース容器の促進と散乱ごみ防止のため、下記の署名サイトでデポジット署名を集めています。
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