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2010年5月26日 (水)

オール電化住宅は本当にエコ?

 朝日新聞(2010.5.24)によると、新築住宅のオール電化の割合は今、「東京ガス管内で1割強、大きな都市ガス会社がない四国で8割近くを占める」そうだ。昨年11月から余剰電力を高く買い取る制度が始まり、太陽光発電の出荷量は、昨年度は前年度の2.6倍と出荷が急増したとのこと。ガス業界も太陽光発電に乗り出した。
 東京電力は、新型ガス給湯器「エコジョーズ」を使ったガス・電気併用よりも、エコキュートを使用したオール電化の方がCO2排出が少ないと試算するが、東京ガスの試算では逆に増えるという全く違う結果になるらしい。
 省エネ度の評価をしている建築研究所では「エコキュートは、使い方次第で効率が異なる。省エネモードでは高効率だが、深夜電力だけで湯を作り昼間電力を使わないモードでは、ガス機器より効率が落ちる傾向にある」とのこと。松村敏弘・東京大教授も「電力と都市ガスの今の競争は、切磋琢磨というよりも、消費者の囲い込みだけが目的。エコキュートもガスと組み合わせればさらに効率がいいのに、オール電化の道具と位置づけられ、潜在能力を生かし切れていない。電力も都市ガスも、独占市場。長期的な視点で、社会全体の効率を真摯に考える責任がある」と指摘しているという。
 災害時のことを考えてもオール電化よりガスとの併用の方が安心だが、CO2の見地からもオール電化よりガスとの併用で効率的なエネルギー使用を考えた方がよさそうだ。
 オール電化住宅にしてエコだと思いこんでいる人が多いが、オール電化にした家では安心してしまうためか電気をたくさん使うので、CO2の排出量が増える傾向にあると、婦人の友の愛読者の会である奈良友の会の人も会員世帯の調査結果をもとに先日話していた。

 個人住宅では、太陽光発電より太陽熱温水器の方が取り付けも簡単で経済的だ。以前からあるものなので、改良も進んでいる。元々シンプルな仕組みでエネルギー効率も高いので、何年でCO2の元が取れるか、何年でペイするかなど、太陽光発電のように悩まなくてすむのも有り難い。中国やドイツで導入が急増しているそうだ。
 スペインでは、バルセロナで始まった太陽熱利用の設置義務可がいまや国の法律になっている。

 

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