環境税の前に課徴金制度導入を
2013年度からの導入が検討されていた国内の排出量取引が凍結された。国が凍結を決めても、東京は既に開始しているし、埼玉も来年4月から導入する予定だから、日本全体としては動いていくのだろう。
COP10が終わり、生物多様性という言葉も今年限りで日本から消えていくのかもしれない。しかし、温暖化だけが環境問題だという風潮がこれ以上広がるのは困る。めざすべきは「低炭素社会」ではなく、「低エネルギー社会」あるいは「資源消費の少ない社会」(正確には、地球1個分の生態系サービスしか利用しない社会)のはずだ。持続可能な社会とは単なる低炭素社会ではない。温暖化以外に悪さをしているとは思えない炭素だけを悪者にした炭素税は、かけ方によっては違う方向に進みそうだ。
例えば、塩ビとポリプロピレンとポリエチレンを比べれば、ポリプロピレンやポリエチレンの方が炭素含有率が塩ビより高い。一律に炭素税をかけてはラップなども塩ビが復活しそうだ。環境税は賛成だが、炭素税を導入するならば、課徴金制度もあわせて導入するのでなければ意味がない。放射能やダイオキシンなど有害物質がでるものにまず重い課徴金をかけ、それと平行して子孫が使うべき枯渇性資源を原料としたものに炭素税をかけるならば納得できる。
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