化学物質

2009年4月29日 (水)

豚から鳥インフルウィルスが検出?!

 豚インフルがメキシコを中心に流行しているそうだが、「インドネシアの豚が高い確率で、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)を持っていることが、神戸大感染症センターの調査でわかった」とのこと。
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20090429-OYT8T00325.htm

 しかもその中の1株は、人への感染力を一部獲得しているそうだ。まるでヒッチコックの映画の世界、動物が人へ仕返しをしているようだ。飼い方にも大きな問題があるし、環境を汚染し生き物が住みにくくしていることにも問題はあるだろう。
 ミツバチにしても欧米では蜂群崩壊症候群が多発し、蜂が巣に戻らなくなる事態が起きているそうだが、日本各地ではミツバチの大量死が問題になっている。どちらも農薬が疑われている。とりわけネオニコチノイド系農薬が疑われているらしい。
 動物や虫がおかしくなるような農薬を使ったものを人間が食べているのだから、人間もおかしくなって当然だろう。
 食べ物には、農薬以外にも様々な食品添加物が使われている。
 Ph調整剤が合成保存料の代わりに近頃よく使われているようだが、この安全性はきちんと調べられているのだろうか。

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2009年4月28日 (火)

テフロン加工フライパンの安全な使い方

 フッ素樹脂加工(商標「テフロン」など)のフライパンを空だきすると猛毒がでてカナリアが死ぬ、というのはよく聞く話だが、空だきをしなくとも、使い方によってはすぐ高温になりアブナイらしい。
 『食品と暮らしの安全』で実験したところ、冷蔵庫で保存しておいたウィンナー1袋(8本)を、油少々いれたフライパンで炒めたところ、中火でもフライパンは222度になったとのこと。強火で炒めると、たった2分で280度を超え、2分20秒ほどでフライパン表面が323度になったそうだ。
 これはウィンナーのせいではなく、豆腐を焼いた場合も同様で、食材に接しない場所は高温になりやすいという。
 「テフロン」の商標で販売するデュポン社によると、フッ素樹脂加工のフライパンは475度を超えると「サリン」と同じレベルの毒性をもつパーフルオロイソブチレンが発生する。
 アメリカのNGO「環境ワーキンググループ」は、「200度に熱したフッ素樹脂加工の調理器具から発生するガスや粒子によって、室内で飼っているカナリアなどの鳥が死んでいると警告を発した」そうだから、中火でも危険だということになる。
 鳥が死ぬということは人間の身体にも悪いということだから、フッ素樹脂加工のフライパンは中火以下で使うか、またはフライパンに食材が接してない面がないような使い方、つまり大量の野菜を炒めるなどの使い方をするのが良いとのこと。
 フッ素樹脂加工のフライパンを使っている人は、鉄製も購入し、使い分けた方がよさそうだ。

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2008年12月26日 (金)

ニカド電池の使い捨てで、減らないカドミウム汚染

 資料を整理していたら、2002年の静岡県消費者団体連名の通信がでてきたので、パラパラとみていたら「広がり始めたカドミウム汚染」の記事。そういえば、ニカド電池が新たな汚染源だったけど、その後生産自粛されて減っているはずと思い、検索をかけてみてビックリ。
 確かにカドミウムの国内需要は、1995年頃のピーク時に比べれば減ってはいるが、2007年は2005年より増えている。しかも日本が減った分中国やベルギーは増えているので、海外から安いコードレスフォンや電動アシスト自転車、電動工具、シェーバー、電動歯ブラシ、ソーラーランタンなどを買い集めてくる日本でのニカド電池の廃棄量はむしろ増えている可能性がある。
 
ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議 「カドミウムについて」
http://www.kokumin-kaigi.org/kokumin03_54_07.html

 (一部抜粋)ニカド電池などの二次電池は資源有効利用促進法により製造メーカ等に回収・資源化が義務づけられています。経産省の資料によると2004年度のニカド電池回収量は975トンで、うちカドミウムは205トンでした。カドミウムのリサイクル率は従来30%程度といわれていましたが、実際はこれより遙かに低く一桁台の可能性があります。実態の把握と併せ、リサイクル率の大幅な向上が求められているといえます。

 おそらくニカド電池を普通の乾電池と思いこみ、ごみに混ぜて捨ててしまっている人がとても多いだろう。たとえば使えなくなったコードレスフォンや電動歯ブラシの電池を抜かずにそのまま捨ててしまうなどの行為は後ろめたさを感じずにできそうだ。
 ニカド電池などの二次電池は、多くの自治体では回収していないので、電気店の回収ボックスまで持って行かないといけない。そのことすら知らない人が多いのではなかろうか。
 このサイトの数字をもとに計算すると、2004年度のニカド電池回収量が975トンでこのうちカドミウムは205トン。電池のカドミウム需要を約2000トンとすると、2004年度のニカド電池のカドミウム回収率は約1割、残りの9割がごみとして捨てられている。
 2008年9月26日からEUでは「ニカド電池の上市が一部を除いて禁止され、併せてニカド電池のリサイクル目標が75%に設定され」たとのこと。カドミウムの怖さはイタイイタイ病で十分経験済みなのだから、日本も早急にニカド電池の流通規制や回収率を高めるなどの対応が必要だ。

 カドミウムは現在、我々の主食である米からコーデックスの安全基準(国際的な上限許容量0.4mg/kg)を超えた量が検出されている。野菜は今どの程度カドミウム汚染されているかわからないが、2002年12月2日の毎日新聞によると、オクラや大豆、里芋、ナスなどから国際安全基準を超えた量が検出されていたそうだから野菜も安心できない。
 それにしてもなぜ「ニカド電池」のような環境負荷の高い製品が、不備な回収システムのもとで安く売られてしまうのだろうか?それによる土壌汚染の責任は一体誰が取るのだろうか?
http://www.maff.go.jp/j/press/syouan/nouan/080115_1.html

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2008年12月24日 (水)

テレビのコードが脱塩ビ

 パナソニックが非塩ビ系の電源コードをテレビに採用し始めたそうだ。非塩ビ製の電源コードは塩ビコードに比べ高コストだが柔軟性などは変わらないとか。
 最後まで変わらないかに見えた電源コードまで非塩ビになってきたのだから、総菜や精肉の入ったトレーに塩ビラップをかけるのはいい加減やめてもらいたいものだ。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20081219/180895/

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2008年10月30日 (木)

気になるドラッグストアの食品の汚染度

 カップ麺に防虫剤成分、あんこやハムにトルエン、ミネラルウォーターにキシレンやナフタレンなど、食品の化学物質による汚染問題が次々と報道されている。
 これらは、自然界からの警告ではなかろうか。これまで化学物質を私たちはあまりにも無造作に使いすぎてきた。自然界に存在しないものを作り続け、垂れ流し続けた結果が今回の問題を引きおこしたのだと思う。
 カップ麺の容器の材質を見直すそうだが、問題はそういうことではないはず。
 ドラッグストアに入ると決まって臭うのがパラジクロロベンゼン。パラジクロロベンゼンは以前から危険性が指摘されていた環境ホルモンだ。そのような化学物質を揮発し放題の包装にしておいて、カップ麺のカップだけ変えてすむはずがない。ドラッグストアには他の食品も売られているし、スーパーマーケットにだって、防虫剤や芳香剤は売られている。
 カップの材質を変更し、カップ麺は安全になっても、一緒に売られている牛乳や野菜、パンは汚染されたまま。それらは長期に保存されないので、汚染度が低く問題になってこなかっただけで、防虫剤と同じスペースで販売されていれば汚染されているのは間違いないだろう。
 食品包装はできるだけ簡易なものにしてごみを減らしたい。変更する必要があるのは防虫剤や芳香剤の包装だ。

◎ワンポイントアドバイス
 タンスに防虫剤を入れる代わりに、普通の石鹸をタンスに入れます。無香料の石鹸以外なら石鹸の香りで虫は退散します。
 トイレは汚れている部分を毎日サッと拭くだけで、芳香剤は不要。便器内は2日に1度クエン酸でササッとこすればトイレ用洗剤も不要です。
 

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2008年10月24日 (金)

ホルムアルデヒドと外来種のシロアリ、どっちがマシ?

 通販などで販売されている組み立て式の木製ベッドから基準値を超えるホルムアルデヒドが検出されたとのこと。7商品中3商品が、厚労省が定めた室内濃度指針値を超えたそうで、うち1商品を設置した室内は7倍を超える濃度になったとか。「頭が痛い」「吐き気がする」などの相談が国民生活センターにたくさん寄せられていたようだ。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081023/crm0810232125056-n1.htm

 ホルムアルデヒドということは、おそらくベッドの木が安い輸入合板でできていて、合板の接着剤からの溶出だろうか?日本のスギやヒノキをそのまま使って作ればよいのに…といっても、木をそのままベッドにしたら重くて組み立てるのも大変なのだろう。

 そういえば、アメリカカンザイシロアリという外来種のシロアリが、輸入建材や家具などとともに持ち込まれ、日本で被害を広げているそうだ。
 カンザイは乾材、つまり乾燥した材につくシロアリらしい。羽があり、どこかの家の家具や柱を喰い飽きると隣の家に移ったりするので、被害は広がる一方だ。
 住宅も家具も、輸入材はやめて国産材で作ったのがほしい。

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化学物質に新規制

 化学物質の管理が2010年度から厳しくなるようだ。従来の規制では、エチレンやプロピレンなどの既存物質約2万種は対象外だったが、新規制では既存物質も含め対象になる。
 EUのREACHに背中をおされた格好で、日本も規制強化にのりだしたわけだが、化学物質過敏症やシックハウス、アレルギーなどの人が増える一方の昨今、扱いが厳しくなるのは歓迎だ。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20081023-OYT1T00547.htm?from=main3

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2008年9月28日 (日)

『奪われし未来』の著者来日 ビスフェノールA

 昨日、「ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議」の10周年シンポジウムに参加した。会員でないので知らなかったが、この会には既に1700人以上の会員がいるのだそうだ。
 時節柄、ジョン・ピーターソンさん(『奪われし未来』の著者)の話もEWG(米国のNGO)の方の話もビスフェノールA(BPA)に関することが多かった。最近日本でも急にBPAの危険性が指摘されはじめたのは、彼らがアメリカの企業や各機関に働きかけたおかげのようだ。
 FDAは過去にBPAの安全性を承認する際、科学産業界から資金提供を受けた2つの研究の結果にのみ依拠し、低濃度BPAの有害性に関する数百件の研究結果を無視していたとのこと。もし、彼らの働きがなければ、いまだにBPAは「それほどキケンでない」と思われていたのだと思うとゾッとする。
 現在、米連邦議会の上院議員から、子ども用製品におけるBPA使用を禁止する法案が提出されており、下院議員からは、すべての飲食品容器におけるBPA使用を禁止する措置が求められているのだそうだ。
 もしBPAの禁止措置がうまくいったとしても、まだ79999種類の化学物質が残っているとのこと。
    つづく

ビスフェノールA関連サイト
ビスフェノールAが子供の健康に影響
ビスフェノールA 続報

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2008年9月24日 (水)

「子どもの環境と健康」シンポジウム

 「ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議」は10周年記念シンポジウム「子どもの環境と健康」を開催するそうだ。
 日米の専門家から、家庭用品などに含まれる化学物質などの害について聞くとのこと。

講演内容

●森 千里氏(千葉大学大学院教授・医学博士)
「へその緒が語る体内汚染」

●鹿庭 正昭氏(国立医薬品食品衛生研究所室長)
「身近な化学製品、家庭用品等による子どもへの影響」

●ジョン・ピーターソン・マイヤーズ氏(『奪われし未来』共著者)
「科学は環境/健康問題を解決できるか~病気のない社会への新たな可能性」

●リチャード・ワイルズ氏(米国環境NGO“Environmental Working Group”事務局長)
「暮らしの中の汚染は10年でこんなにも減った~ 米国環境NGO"EWG"の取組」

○場所・日時等、詳しくは↓へ。
http://www.kokumin-kaigi.org/event/event_p2.cgi?action=html2&key=7

 化学物質の子供への害はもちろんだが、大人への被害も相当なものだろう。
 化学物質過敏症の人はふえる一方だ。かくいう私も最近鼻が妙に敏感になっているので、要注意。隣に香水をつけている人が座ろうものなら脂汗がにじむし、スーパーの洗剤や芳香剤の陳列棚の前は、息を詰めて通らないと気分が悪くなる。
 変なものが食品として口から入るのも困るが、化学物質が皮膚や呼吸から体内に入ってくるのは肝臓で解毒できないのでもっと困る。

○関連記事
『奪われし未来』の著者来日 ビスフェノールA

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2008年9月 2日 (火)

ビスフェノールA 続報

 アメリカ国立衛生研究所のビスフェノールAについての報告を以前「ビスフェノールAが子供の健康に影響」でご紹介したが、日本でもこの夏、厚生労働省が「ビスフェノールAについてのQ & A」をだした。
 妊婦や乳幼児は「できるだけ摂取を減らすことが適当」とのこと。

http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/kigu/topics/080707-1.html

 要するに、妊婦は缶詰や缶飲料ばかりを摂取するのはやめた方がいいし、缶に入った離乳食はそれが絶対安全だと判断できない限りは子供に食べさせない方がよいということだろう。ポリカーボネートのほ乳瓶や塩ビのおもちゃなど(国産品ではもうないだろうが)は論外だ。
 最近は、レトルトパックになっている離乳食もあるようだが、それだって何が溶出しているかわかったものではない。
 やはり離乳食は昔ながらの方法で、つまり具だくさんのみそ汁を作り(ダシはいりこか鰹節)、その具をスプーンでつぶして食べさせるのが一番手軽で安全、しかもおいしい。

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