エコ商品

2011年11月28日 (月)

タスマニア産の「エコ木材」製品はエコ?

 保護価値の高いタスマニアのオールドグロス林を長年破壊してきた製紙用木材チップのための伐採がようやく一段落したと思っていたところ、今度は「エコ合板」などとして偽装されたタスマニア産の木材製品が日本の市場に出回っているらしい。
 JATAN(熱帯林行動ネットワーク)のプレスリリースによると、マレーシア・サラワク州で人権侵害と環境破壊の来歴をもつタ・アン・ホールディングスがタスマニアに進出し、人工林からの木材を拒否し、オールドグロス林など保護価値の高い天然林からの木材調達により「エコ合板」などを製造しているとのこと。「伐採は世界遺産地域、「タスマニア原生地域」の50メートル入ったところまで進められている」とのことである。
 日本ではフローリング材などで販売されているらしい。

http://www.jatan.org/?p=1402

 「エコ」と名のつく商品や事柄は、エコロジーではなくエコノミーの意味ではないかと思われる物が、最近増えてきたように思う。

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2011年8月29日 (月)

ストーン紙ってエコ?

 最近、ストーン紙という石でできた紙がエコ商品として出回っているそうだ。植物繊維でできているわけではないので、通常の古紙回収ルートにはのせられないが、石灰石とプラスチックでできているので、プラスチックとしてのリサイクルならばなんとかなるらしい(つまり、リサイクルできるのは容器包装以外のプラスチックの回収ルートをもっている自治体のみで、普通の市町村では焼却ごみになる)。
 製造時の二酸化炭素排出量が少なくてすむとのことで、エコ商品として宣伝され、リーフレットなどに採用する自治体や企業も増えているとのこと。
 この「製造時の二酸化炭素排出量が少ない」という言い方は最近よく聞くが、「運転時の二酸化炭素排出量がゼロ」だからエコだといっていた原発の宣伝にも通じるところがある。
 また、「工場内での二酸化炭素排出量が少ないからエコ」といっていたバージンパルプの宣伝にも通じるところがある。よく聞いてみると、バージンパルプ生産は生物由来燃料(黒液)を使い、それをカーボンフリーとして排出量ゼロと計算していたせいだが、おかげで二酸化炭素排出量などは、計算の前提によってどうにでもなるということがよくわかった。
 そろそろ、二酸化炭素排出量のわずかな差をエコだ、悪だというのはやめたいものだ。
 紙とそっくりなのに、古紙リサイクルには乗せられない「合成紙」のエコ宣伝はやめてほしい。持続可能な管理をされた森からの木材で紙を作り、古紙リサイクルの輪をきっちりとまわしていきたい。

http://dic.yahoo.co.jp/newword?ref=1&index=2011000295

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2010年9月 3日 (金)

ヒートポンプはエコ?フロン放出のエコ製品

 省エネ技術として注目のヒートポンプ。しかし、ヒートポンプのエコ度には重大な疑惑があるようだ。
 気候ネットワークのホームページによると、「ヒートポンプに使用されたフロンの大半が大気中に放出されている」とのこと。
 しかも、「「省エネ型」とした時点から効率を上げるために冷媒フロンを増量している」そうだ。
エコポイントの対象にもなっているヒートポンプ製品も多い上、表示にも「偽装」もどきの疑惑がある。

http://www.kikonet.org/iken/kokunai/archive/pr20100819-2.pdf

 エコポイント制度は、もともと景気刺激策。エコポイントなどと消費者に誤解を与えるような名前をやめて、「消費拡大のための税金還元ポイント」などの名前に変更すべきだ。

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2010年5月26日 (水)

オール電化住宅は本当にエコ?

 朝日新聞(2010.5.24)によると、新築住宅のオール電化の割合は今、「東京ガス管内で1割強、大きな都市ガス会社がない四国で8割近くを占める」そうだ。昨年11月から余剰電力を高く買い取る制度が始まり、太陽光発電の出荷量は、昨年度は前年度の2.6倍と出荷が急増したとのこと。ガス業界も太陽光発電に乗り出した。
 東京電力は、新型ガス給湯器「エコジョーズ」を使ったガス・電気併用よりも、エコキュートを使用したオール電化の方がCO2排出が少ないと試算するが、東京ガスの試算では逆に増えるという全く違う結果になるらしい。
 省エネ度の評価をしている建築研究所では「エコキュートは、使い方次第で効率が異なる。省エネモードでは高効率だが、深夜電力だけで湯を作り昼間電力を使わないモードでは、ガス機器より効率が落ちる傾向にある」とのこと。松村敏弘・東京大教授も「電力と都市ガスの今の競争は、切磋琢磨というよりも、消費者の囲い込みだけが目的。エコキュートもガスと組み合わせればさらに効率がいいのに、オール電化の道具と位置づけられ、潜在能力を生かし切れていない。電力も都市ガスも、独占市場。長期的な視点で、社会全体の効率を真摯に考える責任がある」と指摘しているという。
 災害時のことを考えてもオール電化よりガスとの併用の方が安心だが、CO2の見地からもオール電化よりガスとの併用で効率的なエネルギー使用を考えた方がよさそうだ。
 オール電化住宅にしてエコだと思いこんでいる人が多いが、オール電化にした家では安心してしまうためか電気をたくさん使うので、CO2の排出量が増える傾向にあると、婦人の友の愛読者の会である奈良友の会の人も会員世帯の調査結果をもとに先日話していた。

 個人住宅では、太陽光発電より太陽熱温水器の方が取り付けも簡単で経済的だ。以前からあるものなので、改良も進んでいる。元々シンプルな仕組みでエネルギー効率も高いので、何年でCO2の元が取れるか、何年でペイするかなど、太陽光発電のように悩まなくてすむのも有り難い。中国やドイツで導入が急増しているそうだ。
 スペインでは、バルセロナで始まった太陽熱利用の設置義務可がいまや国の法律になっている。

 

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2010年4月23日 (金)

紙製弁当容器 食べ終わった後はリサイクル

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 大学生協のランチボックスのエコ化が全国的に進んでいるようだ。
 大学によってもいろいろあるようだが、プラスチック製(スチレン?)の弁当容器にPPフィルムが貼ってあり、食べ終わった後フィルムをはがし、大学生協に返すと10円戻ってくるデポジット制を採用している大学もあれば、紙製で紙の上にPPフィルムが貼ってあり食べ終わった後はフィルムをはがして通常の古紙リサイクルに出せるタイプの容器を採用している大学もある。
 プラスチック製の方はデポジットで確実に回収しリサイクルにまわしている点は評価できるが、やはりプラスチックより古紙リサイクルできる紙製に軍配を上げたい。
 試しに紙製のランチボックスに入った弁当を1つ買ってみた。ご飯の上にピリ辛の鶏肉が乗っている弁当で、味はなかなかよかったが、ピリ辛の赤い色がほんの少し紙に付着してしまい、このまま古紙回収に出してよいものかと不安になった。
 汚れやすい部分はフィルムをもう少し大きくして、内側だけでなく外側も一部覆う必要があるようだ。
 また、食べ終わった後のこのランチボックスを古紙回収に出す学生が何人いるかと考えると、プラスチック製と同様に、10円か20円のデポジットを付けて確実に回収し、生協が責任持って古紙回収業者に渡す方がよいと思う。
 このランチボックス、大学生協以外ではあまり見かけないが、ホカ弁やコンビニなどでも採用したらきっと売れると思うが、大学構内ならばいっそのこと使い回しのできる弁当容器を採用し、100円程度のデポジットで回していくことも可能だろう。大学で「環境」を教えているならば、実践も必要だ。「リサイクルよりリユース」を学生にも体験してほしい。
 ※写真は紙製ランチボックス。上は食べる前、下は食べ終わってフィルムをはがした後。

○リユース容器の促進と散乱ごみ防止のため、下記の署名サイトでデポジット署名を集めています。

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2010年2月28日 (日)

孫子の代まで使える!スチール製ハンガー

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 長年使っていたプラスチック製の角形ハンガーが壊れた。気に入った物が見つからないので、テープで補修しながら使っていたが、プラスチックの劣化が激しくあちこちテープだらけに…。
 そんなとき荒物屋の店先に「孫子の代まで使えます」の表示。通常のプラスチック製ハンガーに比べ価格は倍以上だったが、「孫子の代まで」「復刻版」の文字につられて、このスチール製角ハンガーを買ってみた。
 ホントに孫子の代まで使えるか???楽しみ


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2009年12月30日 (水)

カーボンオフセット付きレジ袋はエコ?

 日経新聞(2009.3.29)によると双日子会社の双日プラネットがCO2を相殺するカーボンオフセット付きのレジ袋の販売を始めたそうだ。
 環境コンサルティングのリサイクルワンから購入したCO2排出枠を使い、レジ袋メーカー大手の中川製袋加工と組み、オフセット付きレジ袋をスーパーなどに1枚2.5円で販売する。1枚当たり0.5円上乗せした計算とのこと。
 双日によると、レジ袋1枚当たり500mlペットボトル100本分の体積と同量のCO2をカーボンオフセットすることができるという。
 調べてみたら、カーボンオフセットキャンペーンを展開しているイオンでは既に有料化した店舗のレジ袋はカーボンオフセット付きを1枚5円で販売しているとのこと。また、ファミリーマートのレジ袋もカーボンオフセット付きらしい。
 レジ袋は使わないに越したことはない、どうしても必要な時だけ次善の策として使うのがオフセット付きレジ袋だという前提の上で、オフセット付きレジ袋を配布するならば良いが、「環境良品」として客にレジ袋を無料配布し続ける口実に使ったり、オフセット付きだから環境に良いと勘違いして、ムリにレジ袋を使う消費者が出ないといいが・・。

http://www.sojitz.com/jp/news/releases/20091028.html
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20091229AT1D2805Y28122009.html

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2009年12月19日 (土)

コカコーラ社の「サスティナブルパッケージ」

 以前何かでデンマークのコカコーラ社のペットボトルが植物からできていることを読み、日本ではいつからそうなるのだろうとエコプロダクツに出展していた日本コカコーラ社のスタッフに尋ねたところ、回答は「今月17日のプレスリリースまでは何もお答えできません」とのことだった。
 「日本のも植物になるの?何からできてるの?植物100%?」などという私の質問を尻目に、スタッフは来場者にひたすら空のペットボトルをひねらせ、薄さをアピール。仕方なく17日まで待つことにして、帰ってきた。
 17日、ようやくニュースリリース↓

http://www.cocacola.co.jp/corporate/news/news_20091217.html

 これによると、2010年3月15日から爽健美茶などでさとうきび由来の原料を一部に使用したペットボトル「プラントボトル」を導入するとのこと。サスティナブルパッケージ(持続可能な容器)に対する取組だそうだ。
 プラントボトルに変更する3製品で、年間2,045キロリットル相当の原油使用量削減効果が見込まれ、「この数値は、ガソリンに換算すると499キロ リットルとなり、燃費1リットルあたり10kmの自動車で、地球を125周できる計算」となるのだという(含有率16.5%で計算)。
 ペットボトルの一部を植物性に変えた程度でそれだけエコになるのなら、昔ながらのリユースボトルに戻したならばどれだけ地球温暖化防止に役立つだろうかと思わずにはいられない。
 先日の忘年会でビンのコカコーラが出てきたが、もしデポジット制度が法制化されれば、このようなビン飲料は飲食店だけでなく、一般のスーパーでも売られるようになるに違いない。
 「ガラスビンで飲む方が断然おいしい!」と忘年会の席上でも話題になった。

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2009年12月16日 (水)

エコプロダクツ

 先週末、東京ビッグサイトで行われたエコプロダクツへ行ってきた。環境面での取組をアピールしたい企業や自治体、そしてこの場を啓発活動の一環としてとらえている市民団体などが多数出展していて、面白かった。
 シュレッダーからトイレットペーパーを作る装置は、話には聞いていたが実物を初めて見た。使い終わったA4版のコピー用紙40枚を投入すると、裁断され、30分後に1ロールのトイレットペーパーになって出てくる。使うのは電気と若干の水。排水しないというから、水は使い切るらしい。そのためか、脱墨が不完全で通常のトイレットペーパーより黒い墨の点々が見えるが、全体の色は悪くなく、実用には何の障害もない。機密書類が多く、シュレッダーを多用している企業向けだ。
 製紙会社のエリアに、8年生?のユーカリと22年生?のカラマツの立木が置かれていた(写真右側の木がカラマツ、中央と左側の木がユーカリ)。8年生のユーカリは結構な太さで、製紙原料としてちょうど伐期。しかし、カラマツはまだ細い。成長の早さの違いがよくわかったが、だからといって紙のために安易に海外の天然林を皆伐してユーカリプランテーションを増やしてよいという理由にはならない。
 インドネシアの森林認証をAPP社が取得したそうだが、インドネシアの森からのコピー用紙などは認証紙でもエコだとは思いにくい。インドネシアの植林木を使ったコピー用紙を販売している大手企業もエコプロダクツに出展していたが、その1点だけで他の製品まで胡散臭く見える。
 できれば古紙や間伐材など国内資源を利用した紙を販売してほしい。
 間伐材といえば、カートカンのサンプルを配っていたのでもらってきた。クレジット方式ではなく、本当に間伐材などの国産材が30%も入っているという。飲み終わったカートカンを洗って切り開けば、牛乳パックなどと一緒にリサイクルできるのだそうだ。
 
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国内クレジット付きエコメロン

 先日の夕刊紙に「エコ青果」の話がでていた。エコなキュウリやバナナ、パイナップル、メロンが売られているという。パイナップルは、現地(フィリピン)に食べられない葉の部分を置いてくることによって、軽くかさばらなくなり、日本でのゴミが年間3万トンも減るという。しかもこの葉を再び植えて育てると実をつけるのだとか。
 「エコメロン」は、ハウスの暖房に使う重油の代わりに、間伐材などで作った木質ペレットを使い、CO2排出削減した分を国内クレジット制度で企業に買い取ってもらうというアイディア商品。
 このサイト↓を見ると、若手の農業家達が頑張っている様子がうかがえ頼もしい。
http://www.rakuten.co.jp/shomeido/929486/

 果物ばかりでなく、近頃よく排出枠付き商品を見かける。これからもっと増えるだろうが、中には買わない方がエコなものにまで排出枠が付くようになり、エコ商品に化けそうで心配だ。
 「エコ塩ビ製使い捨て傘」などが出てきたらどうしよう???

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