本棚のスペースをあけるため古い資料を処分しようと引っ張り出していたら、今春亡くなられた元日本テレビディレクターの荻原弘子さんから8年前に届いたファックスがでてきた。感熱紙のため、字が薄くなっていたが、まだなんとか読める。
×× 様
From 荻原弘子
ワールドカップサッカーでは、どのように飲み物をうるのか?・・
調べてみたらまだ決定していないようでした。
ただし、スポンサーはコカコーラ社なので、コカコーラ社のものしか売らないと思います。
このままでは、紙コップ(ペットボトルは?)あたりになると思いますが、スタジアムに散乱(座席に置き去り?)する心配はないのか、だれがどのように片づけるのか注目したいところです。
東京で世界陸上が行われた時、国立競技場の座席にあき缶がずらっと置かれ、袋をもった人々が1こ1こひろいあげていたのを思い出します。
静岡も埼玉もスタジアムでのデポジットを提案しませんか?ドイツではそのようなスタジアムが増えているそうです。スタジアムは県が管理していると思いますが、ひとつ提案してみませんか?(ダメもとで・・・)
埼玉もエコリサイクルの会が検討中です。
この手書きの文章と一緒に新聞の切り抜きも送られてきていた。
「飲む前にデポジット払う 独サッカー場の飲料容器に導入」というタイトルで、ドイツのフライブルクのサッカー場でのデポジットの様子が紹介されている。
早速、ごみの会の仲間数人で静岡エコパに繰り出し、デポジットを提案した。コカコーラ社にも出かけ申入れもしたように記憶している。もちろん、先方にとっては寝耳に水の提案だったため、「とりあえずご意見をうかがいました」というだけで終わったが、今全国でデポジット制を採用しているサッカースタジアムは少なくないだろう。
まだ荻原さんがいなくなってしまったことが、信じられない。熱心で有能、とりわけ日本に飲料容器のデポジット制を取り入れたいと、そのためには骨身を惜しまない人だった。彼女なくして、デポジット制がはたして実現するのだろうか?と思うほどだ。
彼女からは時々デポジット以外の「指令」も飛んできた。英国でのストッキングの販売状況を知らせてとか…、いつも突然で面白い内容だった。
環境先進国でデポジット制度を採用していない国は少ないのではないかと思う。
デポジット制も拡大生産者責任の1つだが、日本の企業の多くは、今の容器包装リサイクル法で既に十分生産者責任を果たしていると思っているようだ。しかし、使用済み容器の回収と中間処理は自治体が税金で行っている。税金を使ってワンウェイ容器を奨励しているようなものだ。リユースビンには極めて不利な制度。この制度を変えるためには、ワンウェイ容器もリユース容器もともにデポジット制にし、かつ処理費用を製品価格に前もって内部化しておく必要があると思う(ADF)。または、カナダのノバスコシア州などで行っているようなハーフバックデポジットでもいいし、北欧などのような新容器に課税する制度でリユース容器を促進してもいい。
いずれにしても、デポジットともう1つリユースを促進する制度を併用して、容器ごみの散乱とワンウェイ容器の増加に歯止めをかけてほしい。これまでは提案しても却下され採用されることはなかったが、マニフェストにデポジットをあげている民主党に政権交代した今が最大のチャンスだ。
容器包装の散乱を防ぐためまずはデポジットを、そしてリユース容器を増やすための制度を実現させたい。
下記でデポジットを要望する署名を受けつけている。
「デポジット署名にご協力を」
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